VTuber“アカデミア” NEXAS 3日間で27名のVTuber一斉デビュー発表に波紋

VTuber事務所 NEXASは2024年 (令和6年) 4月25日、4月26~28日 (米国太平洋時間) の3日間に27名の新人タレントを一斉デビューさせると発表。その手法や運営について海外を中心に波紋を呼んでいることが確認されました。

画像引用元:公式サイト
© 2024 forCreators Pte. Ltd.

NEXASは、forCreators Pte.Ltd. (CEO:Harry So氏) が運営する VTuber事務所で “アカデミア (Virtual Talent Academia)” を自称。2023年 (令和5年) 12月に、日本の VTuber関連企業への出資も行われている出資者からの資金調達を発表。2月23日には NEXASの設立を発表しております。

forCreators Completed Angel Round Funding and Launches Virtual Talent Academia NEXAS

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3日間で27名が「AniLive」でデビュー

今回 NEXASでは、3日間で27名の新人タレントが、VTuber向けの新興プラットフォーム「AniLive」上でデビュー初配信を行われます。

画像引用元:X (Twitter)
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https://twitter.com/NEXAS_live/status/1783302210069405744?t=ZeLYEnwVwRHUQP8BK5Fl3w&s=19

一方、今回の新人タレントデビューは、27名ものタレントが一斉に、YouTubeや Twitchといったメジャープラットフォーム以外の場でデビューするというものであり、発表直後より海外を中心に波紋を呼んでおります。

NEXASは公式サイトで「私達は、ハーバード大学のような『名門大学』のような機関を思い描いています」と標榜する一方で「1人1人への個別支援は少なくなることをご理解願います」「NEXASでは高いエンゲージメントと向上心を示す人を積極的に支援しています。「依怙贔屓」と呼ぶなら、ある意味ではそうかもしれません。しかし、私達はそれをより体系的に行うことをご理解願います」とも明言しております。

What is “Virtual Talent Academia” ?

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この「27名もの新人タレントを短期間でデビューさせ、高いエンゲージメントと向上心を示す人の支援に重点を置く」という手法が、にじさんじNIJISANJI EN (新)ANYCOLOR株式会社におけるビジネス (ドミナント的大量デビューと、所属タレントの格差拡大傾向。“多産・多犠牲型”との揶揄的見方も) に類似しているのではないかとして、海外では批判的な見方が寄せられております。その背景には、セレン龍月 (Selen Tatsuki) さんの契約解除以降、海外で急速に拡大した「VTuberグループ にじさんじ・NIJISANJI EN (新) 及び、運営会社である ANYCOLOR社への、猛烈な “ブラック企業 (Black Company)” “Evil Company” “KUROSANJI” “SINK THE YACHT (ヨットを沈めよう)” 批判」も影響していると考えられるでしょう。

また、CEOと見られる人物のアカウントが X (Twitter) 上で批判者を煽るような言動を行っていることも確認されており、資質面での懸念も残すでしょう。

https://twitter.com/harry__so/status/1783472658484773023?t=VD9NpJMaXOTgwI2cIsFD5g&s=19

“ランチェスター戦略”運営で実行か

画像引用元:公式サイト
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この度の NEXASの手法は、競争の激しい YouTubeなどのメジャープラットフォームを避け、ニッチ市場での優位性確保を狙う「ランチェスター戦略 (ニッチ市場への集中)」に則ったものと推測されます。

かつて「ランチェスター戦略」を経営方針にしていたと分析されることもある コンパイル社 (「ぷよぷよ」シリーズなどを生み出しました) は、ニッチ市場向けへの小規模IPを (家庭へのPC普及率が極めて低い時代に) MSXやWindows95で多数リリースしており、「ザナック」をはじめとする名作シューティングゲームも生み出しております。

一方、家庭用ゲーム機など“マスへの訴求力”を持ったIPは、ほぼ「ぷよぷよ」シリーズのみであったことから、同シリーズの売上でカバー出来ない身の丈を超えた拡大経営が経営破綻を招き、和議申請、後の解散を招くことになりました。

今回の NEXASのケースは、絶対的利用者がメジャープラットフォームより大きく限られる新興プラットフォーム上の試みとなりますが、一方でこの方針は、一斉に送り出される新人タレントに大変なリスクを負わせることになる懸念もあることでしょう。

ランチェスター戦略及び、にじさんじ・NIJISANJI EN (新)・ANYCOLOR社型の運営に近いものになることも予想される今回の NEXAS。海外を中心に波紋を呼ぶ同事務所のこの試みが成功するのか、それとも望まぬ方向に傾くかは、まだ分かりません。

今後の動向が注目されることでしょう。

※当サイトの「NIJISANJI EN (新)」表記は、かつて存在した初代「NIJISANJI EN (元 NIJISANJI IN)」との区別によるものとなります。

NEXAS

forCreators Pte.Ltd.

(P2y.jp 管理代表者「2号さん」/バーチャル・メタバース・VTuber情報)

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