にじさんじ 地道な取り組みが導いた “熱い夏”

いちから株式会社の運営するバーチャルYouTuber (VTuber) /バーチャルライバーグループ「にじさんじ」にとって、この夏はとびきりの熱い夏を迎えつつあります。

にじさんじ オールスター (2020年7月29日現在)

大所帯を強みにした「にじさんじ甲子園」

この夏、にじさんじの強みが最も発揮されたのがコナミデジタルエンタテインメントのゲームソフト「eBASEBALL パワフルプロ野球 2020 (パワプロ)」とのコラボレーションで行われる生放送配信「にじさんじ甲子園」の第1弾である「にじさんじ甲子園ドラフト会議 2020・夏」です。

舞元啓介、リゼ・ヘルエスタ、社築、剣持刀也、樋口楓、椎名唯華といった人気タレントがにじさんじライバー (所属タレント) をドラフト会議形式で選抜しチームを編成する。一体誰が選ばれるのかをほぼ全てのにじさんじタレント視聴者が楽しむ事が出来る。

100人を超えるタレントを抱える大所帯であるにじさんじの強みを最大限生かす上で、パワプロというゲームタイトルやドラフト会議といった企画は他では真似し難いものであると言えます。

その後の各タレントによるチーム育成の模様もそれぞれの個性が現れた見応えのあるもの。樋口楓のスパルタ指導とリゼ・ヘルエスタの大らかな反応のギャップなど、にじさんじならではの様々な個性を十二分に堪能する事が出来るものとなっています。

にじさんじ「甲子園ドラフト会議」初の生放送同接数10万人達成 VTuberでは4例目

男性ライバーの躍進 確かな強みに

そして今日のにじさんじの躍進を支えるのはこれまで人気を博してきた女性タレントに加え、VTuber業界では最大と目される「男性タレント」の成功を抜きには語れないでしょう。

元々男性VTuberは女性と比較し苦戦する傾向にあり、にじさんじ所属の男性ライバー (タレント) も長らく厳しい状況を強いられましたが、持ち前の企画力やトーク力、ゲームプレイなどにより徐々に「面白さ」が評価されるようになり、今日のにじさんじの強みの1つとして他の追随を許さない存在となりつつあります。

前述の「にじさんじ甲子園」を率いる舞元啓介はにじさんじだけにとどまらず他の事務所や個人勢といった幅広いVTuber業界全体の繋がりも重視しており、こうした姿勢は事務所やグループの分け隔てない交流やにじさんじを含めた業界全体の発展に大きく寄与しているものと言えます。

そして8月10日放送の加賀美ハヤトの3Dお披露目配信では、同時視聴者接続数 (同接数) において13万人を突破。タカラトミーとのコラボレーションによる粋な演出などエンタメ性及び技術面においても広く訴求出来る特筆すべきものとなり、2D配信によるイメージの強かったにじさんじの3D技術の向上をもうかがえるものとなりました。

今やにじさんじは、男性タレントのグループとしても最大手となりつつある。これまでの男性タレントの下積み的取り組みが花開き、この夏をより熱くしています。

ささやかな福音も

そしてとある人々にとっても、この夏のにじさんじはささやかな福音をもたらしました。

8月10日にデビュー配信を行った新人タレント「西園チグサ」に関連し、深くは触れませんが、そのデビューを喜ぶ声が特に多く寄せられています。

https://youtu.be/wlf8T03vkIM

にじさんじ 「朝日奈アカネ」「周央サンゴ」「東堂コハク」「北小路ヒスイ」「西園チグサ」デビュー決定

地道な取り組み 花開く

にじさんじはかつての “四天王” 以降のVTuber業界を牽引する一角として今日まで来ていますが、その視聴者の多くは日本人であると目されており、生放送配信に寄せられるコメントも日本語が大半となっています。

今日の成功がほぼ国内ローカルでの拡大のみで成し遂げられたものであるという点は特筆すべきものであると言え、国内最大手のVTuber/バーチャルライバーグループとしての地歩を確かにしていくいちから社の手腕は高く評価されるものと言えるでしょう。決してグローバル展開や国際化を否定してはおらず、海外向けの展開も進めつつも、先ずはメインである「国内におけるにじさんじ」の土台を作り上げるという姿勢は、日本国内のドライバーに寄り添って開発された軽自動車のような安心感を視聴者にもたらし、身近な存在としての親近感を呼び起こしつつあります。

かつてのにじさんじは所属タレントの言動などが度々問題となるなど、幅広く支持されるとは言い難い、むしろかつての “四天王” が示したVTuberの業界を破壊してしまうのではないかとの厳しい批判にさらされた時期がありました。しかしそれはにじさんじといちから社を「(法的にも道義的にも) 正しい姿勢で取り組む」方向へと導き、他社著作物に関するグレーゾーン的利用を改めるなどの「陰ながらの地道な取り組み」を行ってきた結果、今日の成功へと至る事が出来たと言えます。

任天堂 にじさんじのいちから社と著作物利用に関する包括契約を締結

セガ にじさんじのいちから社と著作物利用に関する包括契約を締結

にじさんじ「世界のアソビ大全51」の生配信開始 任天堂との包括契約後初の新作ゲーム配信

  • 正しいことを正しいと言えること
  • 組織の常識と世間の常識が一致していること
  • ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価されること

TBS日曜劇場「半沢直樹」4話で登場した “3つの信念”。今のにじさんじは (勿論今も抱える問題はあるものの) かつての厳しい批判にさらされた時期とは異なり、企業運営によるVTuber事務所・グループの中ではこれに最も近く、それが国内最大手への扉を開きつつあります。

その熱い夏は、まだ始まったばかりです。

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