ホロライブプロダクション・にじさんじの誹謗中傷対策“大連立”はVTuber業界に何をもたらすのか

ホロライブプロダクション・にじさんじの誹謗中傷対策“大連立”はVTuber業界に何をもたらすのか

VTuber業界全体にとって、エポックメイキングな動きであることは間違いないことでしょう。

VTuber事務所 ホロライブプロダクションなどを運営する カバー株式会社と VTuberグループ にじさんじなどを運営する ANYCOLOR株式会社は2022年 (令和4年) 12月5日、共同声明を公開。所属タレントへの誹謗中傷対策において両社で提携すると発表しました。

この度はVTuber業界の企業勢で1・2位を占める両社、両事務所・グループが手を結ぶという“大連立”がもたらすものを挙げていきたいと思います。

「誹謗中傷対策に本気で取り組む」意思表示

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先ず今回の カバー社、ANYCOLOR社の誹謗中傷対策における連携体制構築により、これまで両社それぞれで行われてきた所属タレントに対する誹謗中傷対策が、事実上1本化されていくことになると考えられます。

ホロライブプロダクション及び にじさんじの業界シェアは (所属タレントの視聴者数、再生数、配信時間といった数値において) 主要事務所・グループ内で約4分の3程を占めております。文字通り現在のVTuber業界を牽引する存在であり、この両社が所属タレントの誹謗中傷対策で手を取り合う事は、VTuber業界が誹謗中傷対策に本気で取り組むという姿勢を内外に強く示すことになります。

それはこの枠組みに参加していない他社や個人勢タレントにもプラスの影響をもたらし、業界全体において誹謗中傷対策に本気であるという強いメッセージを生み出していくことでしょう。

長らく各業界を荒らしてきた「悪質まとめサイト」に引導を

そして今回の両社、両事務所・グループの連携は誹謗中傷対策そのものにとどまらず、それを間接的に煽動してきたとされる一部の悪質な所謂「まとめサイト」対策が念頭にあると考えられるでしょう。

「悪質まとめサイト」は掲示板サイトにおける書き込みを意図的に引用した記事を公開するなどしており、各業界に悪影響をもたらしてきました。ゲーム業界におけるゲーム機・ゲームメーカーファン同士の対立、アニメ業界における覇権アニメ (シーズン売上1位) 論争、そしてVTuber業界においては ホロライブプロダクションや にじさんじの間のファン対立を煽るなど、枚挙に暇がないと言えるでしょう。

自らは手を汚さず、間接的に対立や誹謗中傷を煽動してきた一部の悪質な所謂「まとめサイト」を、VTuber業界は許さないという意思表示。それは極めて大きな意味を持つものとなるでしょう。

ホロライブプロダクションと にじさんじの“協力関係”を示す

そして誹謗中傷対策とは異なる効果として、今回の連携は ホロライブプロダクション及び にじさんじ、カバー社及び ANYCOLOR社が業界内においてビジネス上の敵ではなく“協力関係”にあることを内外に示すものとして強いインパクトを持つものとなるでしょう。

誕生間もない黎明期のVTuber業界では企業・個人の垣根が殆ど存在せず、分け隔てなく交流が行われ楽しまれる牧歌的な空間が形成されておりました。しかしその後の業界の規模拡大、企業の相次ぐ参入といった流れを経て、かつてのゲーム業界における「次世代ゲーム機戦争」のように各企業、事務所・グループ間でファンの皆さんが対立したり、それを一層煽動し利益を得ようとする一部「まとめサイト」の悪質さが際立っておりました。

そうした危機的状況に対し、今回の誹謗中傷対策での連携によって「ホロライブプロダクションと にじさんじが協力関係にある」…敵ではなく、同じ業界の仲間であるというメッセージが発せられたのは、VTuber業界全体の正しい発展に向けて強い意味を持つことでしょう。

誹謗中傷行為等に対するカバー株式会社およびANYCOLOR株式会社による連携体制の構築について

カバー株式会社

誹謗中傷行為等に対するANYCOLOR株式会社及びカバー株式会社による連携体制の構築について

ANYCOLOR株式会社

(P2y.jp メインチーム/ゲーム・任天堂・バーチャル・メタバース・VTuber・ボカロ・初音ミク・リアル・科学情報)

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