2021年のVTuber業界 新たな段階へ突入の兆し

2016年11月 (平成28年) 以来、バーチャルYouTuber (VTuber) のYouTube公式チャンネル登録者数において1位を維持してきたキズナアイ (所属:キズナアイ株式会社) が、早ければ2021年 (令和3年) 4月にもその順位を後続に譲る可能性が現実味を帯びてきております。

本記事ではVTuberのチャンネル登録者数に関する記述がございますが、あくまで統計データかつ、これらによって各VTuberタレント及び事務所・グループ、タレントとしての優劣を比較する意図は全くございません。予めご了承下さい。

1月23日4時現在、キズナアイのチャンネル登録者数を上回る可能性が浮上してきているVTuberは約205万人を記録する がうる・ぐら (Gawr Gura/所属:ホロライブEN) で、キズナアイとは約84万人の差となっております。

VTuber キズナアイ 2021年4月にもYouTubeチャンネル登録者数1位を後続に譲る可能性
画像:ユーザーローカル バーチャルYouTuber ファン数ランキング (2021年1月23日4時現在)

がうる・ぐらはデビュー配信から39日目で100万人のチャンネル登録者数 (YouTubeクリエイター表彰プログラム ゴールドクリエイターアワード相当) を獲得。これは2017年 (平成29年) 12月のキズナアイ、2019年 (令和元年) 10月の輝夜月以来となる記録で、同タレントの所属するホロライブプロダクションでは初となるチャンネル登録者数100万人のVTuberとなりました。

1月18日にはデビュー配信から4ヶ月 (127日) を経てVTuberとしては史上2人目となる200万人のチャンネル登録者数を獲得。その後も1日約1万人増の推移を維持しており、早ければ4月にもキズナアイのチャンネル登録者数を上回る可能性が浮上してきております。

ホロライブEN がうる・ぐら (Gawr Gura) YouTubeチャンネル登録者数200万人を記録

ホロライブEN Gawr Gura (がうる・ぐら) YouTubeチャンネル登録者数100万人を記録

2020年 (令和2年) 7月、黎明期のVTuberムーブメントを牽引した4名 (キズナアイ/輝夜月/ミライアカリ/電脳少女シロ/※バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさんは引退) がそれまでチャンネル登録者数の上位を占める構図を白上フブキ (所属:ホロライブ) が初めて塗り替えてから半年余り。

その後「ホロライブプロダクション」所属タレントは前例のない記録的な伸びを見せ、1月23日現在におけるチャンネル登録者数100万人以上のタレントは6名となっております。

更に国内を中心としてYouTube以外におけるマルチな活動も積極的に展開してきた「にじさんじ」はコラボレーション企画や男性タレントの躍進でますます存在感を高めており、企画系生放送配信において同時視聴者数 (同接数) 10万人以上を次々と記録。チャンネル登録者数においても同グループを長年牽引してきた月ノ美兎が電脳少女シロを上回る可能性が浮上してきております。

そして海外発の事務所・グループも本格的にVTuber事業への展開を始めており、米国の「VShojo」やインドネシアの「MAHA5」は日本向けのアプローチも積極的に行っております。雲母ミミヒヅキミウのように南米圏やスペイン語圏に向けた活動により頭角を現す動きも注目を集め始めております。

インドネシアのVTuber事務所「MAHA5」日本市場に参入 1期生オーディションが開催

WACTOR ヒヅキミウ スペイン語圏で人気の兆し 直近4日間のチャンネル登録者数が急増

星めぐり学園 躍進の兆し 風紙七鳴 グループ初のYouTubeチャンネル登録者数10万人を記録

VTuber 雲母ミミ YouTubeチャンネル登録者数・同接数が急増 ブラジルにて反響か

VShojo Nyatasha Nyanners YouTubeチャンネル登録者数100万人を記録

こうした環境の変化は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的拡大も影響し、VTuber業界の構図を塗り替えることとなりました。今こそまさに、世界中の人々がこのムーブメントに多大な注目を向け始めていると言えるでしょう。

VTuberのYouTubeチャンネル登録者数において長年トップを走ってきたキズナアイがそれを後続に譲る可能性が現実味を帯びてきたことは、決してキズナアイをはじめとする業界の先駆者の衰退や退場を意味するものではなく、VTuberムーブメントが多様化し、新たなステージへ突入するものであると捉えることが出来るのではないかと考えられます。

2017年 (平成29年) のキズナアイをはじめとする先駆者の勃興、2018年 (平成30年) のLive2D・生放送配信スタイルによるタレントの躍進、2019年 (平成31年/令和元年) のにじさんじの躍進、2020年 (令和2年) のホロライブプロダクションの躍進と海外におけるVTuberムーブメントの本格的始動─。

初音ミクをはじめとするボーカロイド (VOCALOID/ボカロ)、投稿動画、生放送配信、ゲーム実況プレイ、CGM、VRなど、様々なデジタルカルチャーの流れを汲むVTuberムーブメントの2021年がどのような年となるか。まさに1日1日の変化が注目されることでしょう。

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