VTuber ホロライブ1期生がデビュー5周年 幻のホロメン「人見クリス」を振り返る

VTuber ホロライブ1期生がデビュー5周年 幻のホロメン「人見クリス」を振り返る

2023年 (令和5年) 6月、VTuber事務所 ホロライブプロダクションの日本国内女性グループ「ホロライブ」の1期生5名全員が、デビュー5周年を迎えます。

ホロライブ1期生は、カバー株式会社がVTuberグループとしての ホロライブを設立してから初めてデビューしたタレント。2018年 (平成30年) 5月13日に 夜空メルさん、6月1日に アキ・ローゼンタールさん/白上フブキさん/夏色まつりさん、6月2日に 赤井はあとさんが活動を開始されております。

当時の ホロライブは設立間もない新興グループであり、アイドル路線も採用していなかったものの、この第1世代が後の ホロライブプロダクション全体に与えた影響は、後述する“幻の1期生”も含め、多大であったと言えるでしょう。

今回は、その“幻のホロメン (ホロライブプロダクション所属タレント)”となる ホロライブ1期生 人見クリスさんについて振り返ります。

ホロライブ1期生 (アキ・ローゼンタール/赤井はあと/夜空メル/白上フブキ/夏色まつり/人見クリス)
ホロライブ1期生
画像引用元:PANORA
© 2016 COVER Corp.

今日、ホロライブ1期生は前述した5名であると、視聴者・ファンの皆様からほぼ違和感なく認識されております。

しかし、実際は上記画像のように、ホロライブ1期生には 人見クリスさんというタレントがおり、この 人見さんも加えた6名によるデビューが予定されておりました。

人見さんは2018年6月3日、YouTube公式チャンネルで初配信を実施。6月4日には ツイキャスで配信を行われましたが、これを最後に活動が中断されました。

同年6月25日、カバー社は人見さんの演者/ボイスモデルと、その支援者との間で問題が生じたとして活動の休止を決定。翌日6月26日には、人見さんの演者/ボイスモデルとの契約を解除すると発表しました。

なお、当時は所謂「中の人 (演者/ボイスモデル)」に言及せず「(演者/ボイスモデルの存在に触れない) 厳密なバーチャルの存在」としてのVTuberを支持する考えが根強かったことから、カバー社が発表した“演者/ボイスモデルとの契約解除”は極めて異例、おそらく初ではないかとして注目されました。更に、当時は「VTuberのキャラクターモデルと、演者/ボイスモデルとの関連性」についても定まっていない時代であった事から、「人見クリスさんのキャラクターモデル」に「新たな演者/ボイスモデル」を招いての“再デビュー”の可能性も挙げられましたが、結果的には演者/ボイスモデルと共にキャラクターモデルとしての 人見さんも運用を終える事となりました。

この時のカバー社の判断は、今日のVTuber業界においてデファクトスタンダードになっている「キャラクターモデルと、演者/ボイスモデルは一体」「1モデルにつき、1演者/ボイスモデル」という思想に大きな影響を与えることになりました。今日では当たり前に考えがちな「VTuberタレントの卒業や契約解除=キャラクターモデルの取り扱い終了及び、演者/ボイスモデルの卒業・契約解除」という考え方は、人見さんの出来事の前までは必ずしも常識ではありませんでした。

人見さんの実質的な活動期間は上記の2日のみであり、VTuber業界黎明期にリアルタイムで情報を確認されていた視聴者・ファンの皆様以外にはほぼ知られていない出来事のため、今日では“幻のホロメン”として一部の皆様の間で語られる存在になっております。

人見さんが ホロライブを去ることになった背景については、カバー社の公式発表以外にも真偽不明の情報がネット上に散見されます。ホロライブ1期生5名が5周年を迎えたのと同じく、人見さんに関する出来事も5年の歳月が経過しており、今では当時を覚えておられる皆様も、振り返られる皆様も僅少ですが、前述した「キャラクターモデルと、演者/ボイスモデルとの関連性」において今日につながる多大な影響を残すなど、今日のVTuber業界を形作った黎明期のタレントの1人として、この節目に振り返ってみてはいかがでしょうか。

ホロライブプロダクション

カバー株式会社

(P2y.jp 管理代表者「2号さん (仮)」/バーチャル・メタバース・VTuber情報)

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