コロナショック VTuberの明暗分ける

2020年 (令和2年) 4月現在、バーチャルYouTuber (VTuber) は “コロナショック” の影響により明暗が分かれつつあります。

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ホロライブとにじさんじ 在宅需要が押し上げ

2020年 (令和2年) はホロライブプロダクション (以下:ホロライブ) とにじさんじの存在感が強まるだろうとする見方が以前よりありました。しかしそれはあくまで一年を通じての緩やかな傾向としての予測でした。

それがこの僅か2ヶ月程の間で一気に現実のものとなったのは、新型コロナウイルス感染症 (武漢肺炎/COVID-19) の世界的拡大により急激に発生した「(娯楽面の) 在宅需要」に、ホロライブとにじさんじが指向してきた生放送配信スタイルが応えることが出来た事が大きいと言えるでしょう。

ホロライブとにじさんじのスタイルはLive2Dによる比較的低コストかつ各VTuberの所在地からも配信可能なものであり、今回のコロナショックという未曾有の事態の影響も最小限に抑えられるものでした。テレワーク (在宅勤務) の合間に視聴したり、気晴らしやストレス解消にと生放送配信をながら見したりといった人々の需要に応える事が出来た形です。

かつてホロライブやにじさんじのようなLive2Dおよび生放送配信主体のスタイルはVTuberとは言い難いのではないかとして、特に3DCGによる動画公開が支持を集めた頃には批判の対象ともなった事もありますが、両者は個性的VTuber達による「面白さ」を大切にしながら今日まで着実に支持を集めてきました。そして今回のコロナショックという事態によって、有事においても多くの人々と繋がる事が可能な娯楽としての側面が注目される事となったのではないかと考えられます。

現ににじさんじとホロライブ所属VTuberの生放送配信の同時視聴者数 (同接数) は増加傾向にあり、その副作用としてYouTubeチャンネル登録者数も記録的伸びを続けています。奇しくもコロナショックが両者を一気に押し上げている形と考えられるでしょう。

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企業系3D動画勢 “リアル”に苦しむ

一方で “コロナショック” は、企業系3D動画勢の苦境を不幸にも鮮明にしつつあります。

このうち電脳少女シロはYouTube公式チャンネル上での活動を4月より縮小すると発表しました。3DCGによる比較的大掛かりなスタジオ収録やボイスモデルの長時間の拘束、頻繁な出勤により、新型コロナウイルスへの感染リスク増大やコスト面での対応が難しくなった事などが原因と考えられます。

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超人女子戦士 ガリベンガーV 1周年記念リアルイベント 新型コロナウイルスの影響受け中止に

同じく予想以上の影響が出始めているのが「バーチャルシンガー」で、楽曲のスタジオ収録が難しくなった事を受け活動を抑えざるを得ない状況も見られるようになっています。特にライブイベントの中止は打撃であり、コロナショック終息が見通せない中で厳しさを増しています。

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こうした「企業系3D動画勢」はLive2Dをメインとした生放送配信のようにフレキシブルな活動を行うのが難しく、更に新型コロナウイルス感染症など未曾有の非常事態への柔軟な対応も厳しいという運営上のリスクを浮き彫りにした形となりました。

「バーチャルなのにリアル (新型コロナウイルス) の影響を大いに受けてしまう」という悩ましきウィークポイント。これはコロナショック終息後のVTuber業界全体の動向にも影響を及ぼす可能性があるかもしれません。

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