自然界の「第5の力」存在裏付ける証拠発見か ハンガリー核研究所

ハンガリー科学アカデミー核研究所 (ATOMKI) の研究グループによりますと、物理学においてこの自然界を支配すると考えられている4つの力 (重力、電磁気力、強い力、弱い力) に続く「第5の力」の存在を裏付ける証拠が発見されたとのことです。

今回研究グループが励起状態にあるヘリウム原子が崩壊しながら光を発する様子を観察したところ、その粒子の分裂角度が115度という現在の物理学では考えられない数値であったことが分かったとのことです。

この宇宙を支配する4つの力

4つの力と統一理論 (画像:HiggsTan)

2019年 (令和元年) 11月現在の物理学によれば、この宇宙 (自然界) 支配する力は「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」の4種類が存在するとしています。

日常的に体感出来る力が重力のみであれば “高いビルから飛び降りても地球の中心に向けて落下していく” ことになりますが、重力より遥かに強い電磁気力の作用があることで地面にめり込んでいかずに済みます。原子を結合させ物質 (化合物) を作り出すのも電磁気力によるものですし、その原子を構成する原子核を形作るための素粒子を結び付けるのは強い力によるもの、また放射性崩壊などを司るのは弱い力によるものです。

これらはこの宇宙が誕生後に1つの力から分離して出来上がったものですが、再度1つに統一することでこの宇宙が誕生した謎を解明する「統一理論 (万物の理論/Theory of Everything) 」の研究が主に理論物理学において行われており、素粒子を余剰次元 (10~11次元/空間9~10+時間1) 座標方向にも振動する弦 (ひも) の振るまいとして説明しようとする「超弦理論 (超ひも理論/Superstring Theory) 」などが有力候補として挙げられています。

標準模型で説明出来ない発見

研究グループの中心人物であるAttila Krasznahorkay氏がこの異常数値の粒子を発見したのは今回で2度目 (1度目は2016年 (平成28年) に発表されたベリリウム8同位体が基底状態に崩壊しながら光を発する様子についての研究結果)で、いずれも素粒子の標準模型 (標準理論/標準モデル/Standard Model) では説明出来ないものとなります。

これが新たな力を司る全く新しい粒子、そして「第5の力」の存在を示唆しているのであれば、現代の物理学の常識を覆す大発見となることは間違いないでしょう。

本当なら世紀の大発見!自然界に第5の力が存在する証拠を発見(ハンガリー研究)

カラパイア

Physicists Claim They’ve Found Even More Evidence of a New Force of Nature

SocienceAlert

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