VTuber かつての “四天王” と新世代の「逆転」は私たちに何をもたらすのか

この夏、バーチャルYouTuber (VTuber) 業界において極めて大きな転換点を迎える可能性が次第に現実味を帯びてきています。

2017年 (平成29年) 末のVTuberムーブメント黎明期より一貫して維持されてきた、かつての “四天王” 4名 (キズナアイ/輝夜月/ミライアカリ/電脳少女シロ/※いずれも登録者順。「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」は引退) によるチャンネル登録者数の上位占有という見慣れた光景が終わりを迎える可能性が出てきているためです。

7月3日9時現在、電脳少女シロの背後には白上フブキ (所属:ホロライブプロダクション/ホロライブ) が約67万2000人のチャンネル登録者数でつけています。かつての “四天王” 以外到達していなかった「チャンネル登録者数60万人」の大台も既に突破したほか、現在も1日1000~3000人程のペースで登録者数を増加させており、早ければこの7月中にも “四天王” を登録者数ベースにおいて逆転する可能性が現実味が帯びてきています。

かつての “四天王” と新世代の「逆転」。それが起きる時、私たちに何をもたらすのでしょうか。

VTuber かつての “四天王” と新世代の「逆転」は私たちに何をもたらすのか

かつての “四天王” の衰退 登録者数でも明らかに

キズナアイをはじめとするかつての “四天王” は2017年 (平成29年) 末より始まったVTuberムーブメントの勢いにより、今後後発世代が追い抜く事は極めて困難であると思われるほどのチャンネル登録者数を獲得しました。

しかしその後発足した「にじさんじ」を中心に生放送配信による新スタイルが登場。それらが次第に支持を集めるようになり、チャンネル登録者数よりも直近の動画再生数や生放送配信同時視聴者数 (同接数) がクローズアップされるようになりました。

一方でかつての “四天王” は運営を巡る迷走 (キズナアイの “分裂” を巡る問題、電脳少女シロ所属の.LIVEにおける問題など) や動画内容そのものの面白さなどにおいて次第に人々の支持を失うこととなってしまい、直近の動画再生数の低迷という登録者数との落差も際立つなど、VTuber業界におけるムーブメントの中心的存在から外れ、衰退が指摘されるまでに苦境に追い込まれる形となっています。

苦境のVTuber四天王 来年への展望見通せず

更に衰退を印象付ける事となったのが、かつての “四天王” が顔となって主導したグループ及び事務所が事実上の解散や活動縮小といった「総崩れ」の状況へと至った事が挙げられるでしょう。

かつてのVTuber“四天王”グループ「総崩れ」一つの時代の終わり象徴か

かつてのVTuber“四天王”グループ「総崩れ」1つの時代の終わり象徴か

もはや最盛期に積み上げたチャンネル登録者数では求心力を維持出来ない、さらに登録者数ベースにおいても新世代が “四天王” 4名の並びを崩す時代へ突入しつつあるというこの流れは、これまで漠然と「今もVTuberの主流は “四天王”」と捉えていた人々に大きな影響を与える事になると考えられます。

ホロライブ・にじさんじ 一般にも波及へ

ホロライブ (hololive)

6月1日、任天堂はにじさんじを運営するいちから株式会社と著作物利用における包括提携を締結しました。

任天堂がにじさんじと契約を締結したというニュースは大きな反響を呼び、VTuber業界の主流が “四天王” から “新世代” へと移った事を印象付けるもののようにも映りました。

現在VTuber業界を牽引する企業系グループは「ホロライブプロダクション (ホロライブ)」「にじさんじ」のツートップと目されており、両者は所属タレントが互いにコラボレーションを行うなど、ライバルとしても仲間としても切磋琢磨する良き関係性にあります。

ただこれまで両者はコアなファン層を固める方向性にあったため、かつての “四天王” のように一般メディアや多くの人々の目に留まる場面には殆ど現れてこなかった経緯があります。

VTuber業界に詳しくない皆さんが「キズナアイや “四天王” は少し分かるが、ホロライブやにじさんじはよく分からない」と語るのもそれであり、またチャンネル登録者数という最も分かりやすい基準においてかつての “四天王” 4名が上位を占有する見慣れた光景がある以上、一般の人々や各種案件を依頼する企業にとって目に留まるのは “四天王” であり、ホロライブやにじさんじはあまり知られない存在であったことは事実でしょう。

しかし今回かつての “四天王” 4名のチャンネル登録者数上位占有の構図が崩されるという、VTuber業界全体にとっての大きな転換点が現実のものとなる事で、今後は一般の人々や企業もホロライブやにじさんじへの注目を向けていく可能性が高まると考えられ、すでに一部でそうした流れが生まれつつあります。

にじさんじではリゼ・ヘルエスタによる任天堂のゲームソフト「MOTHER3」の生放送配信が本作を手掛けた糸井重里氏や酒井省吾氏、そして本シリーズのファンサイドで大いに注目を集め続けており、ゲームファンの間で一気に認知度を高めることとなりました。今後こうした流れが様々なコラボレーション等へと発展する可能性も期待されます。

糸井重里氏 リゼ・ヘルエスタ MOTHER3 生配信プレイ動画を視聴

リゼ・ヘルエスタ MOTHER3 生配信プレイ動画を公開へ

糸井重里氏 リゼ・ヘルエスタ MOTHER3 生配信プレイ動画を視聴

酒井省吾氏 リゼ・ヘルエスタ MOTHER3 生配信プレイ動画を視聴

ホロライブではゲームの生放送配信を中心とする「ホロライブゲーマーズ」から猫又おかゆ戌神ころねが国内最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit Gaiden」に出演。今後もゲーム関連イベントへの出演等が期待されます。

任天堂など協賛の「BitSummit Gaiden」ホロライブの猫又おかゆ・戌神ころねが出演決定


6月29日、日本テレビは同社運営のVTuberネットワーク「V-Clan」に45名の追加メンバーが加わり、国内最大規模のVTuberネットワークになると発表しました。

参加VTuberは約100名となり、同じVTuberサポートネットワークでは最大であった「upd8」を追い抜くこととなりました。更に「にじさんじ」の101人 (7月3日現在) にも比肩することになります。

日テレ「V-Clan」史上最大のVTuberサポートネットワークに 子供向けブランドも始動

ホロライブ、にじさんじのツートップにとどまらず、任天堂日本テレビといった様々な企業や人々による新たな動きも見られ始めています。少し前まで「キズナアイや “四天王” は少し分かるが、ホロライブやにじさんじはよく分からない」と思われていた皆さんがVTuber業界の新たな取り組みに少しずつ触れる機会が増える事で、これまでの認識が変わっていく未来はそう遠くない将来訪れることでしょう。

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