バーチャルYouTuber (VTuber) kson (kson総長/所属:VShojo) は2022年 (令和4年) 7月22日、任天堂のゲームソフト「リングフィット アドベンチャー」のプレイ配信を行いました。
今回同タレントによる任天堂ゲームの配信が、同社のガイドラインに抵触しているか否かが焦点として浮上しております。
VShojo Inc.は任天堂と包括契約を結んでおらず
ksonが所属するVTuber事務所 VShojoを運営するVShojo,Inc.は2022年7月22日現在、任天堂が著作権を保有する著作物の利用に関する包括契約を同社と結んでおりません。
同日現在、任天堂と著作物利用に関する包括契約を結んでいる企業は以下の通りです。
- UUUM株式会社 (吉本興業所属を含む)
- 株式会社ソニー・ミュージックマーケティング (VEE/VERSEⁿ/PRISM Project)
- 株式会社東京産業新聞社 (ガジェット通信)
- ANYCOLOR株式会社 (にじさんじ)
- カバー株式会社 (ホロライブプロダクション)
- 株式会社アップランド (.LIVE)
- 株式会社クリーク・アンド・リバー社 (The Online Creators)
- 株式会社STPR (すとぷり)
- Collab Asia, Inc. (Collab Asia Game Streamers)
- 株式会社ジャニーズ事務所 (バーチャル・ジャニーズ・プロジェクトなど)
任天堂
よって VShojo所属タレントが VShojo, Inc.という”企業所属タレント”である場合、各配信毎に任天堂からの許諾を得ていなければ無許諾に該当する可能性が浮上すると考えられます。
なおこうした疑念の背景には、過去の VShojo所属タレントによるアニメの海賊版視聴配信など、同事務所の著作権に杜撰な側面も影響していると思われます。
© VShojo, Inc.
ksonは”個人勢”か、それとも”企業勢”か
ksonは VShojoへの所属にあたり、自身は「これまで通りの個人勢」であることを強調しております。
しかし配信内での ksonによる発言は曖昧な側面も少なくなく、「果たして本当に ksonが VShojoという企業事務所所属ながら”個人勢”で、VShojo, Inc.という企業に属する”企業勢”ではないと法的に言えるのか否か」についてははっきりしないものとなっており、これら発言を全て真に受け止める視聴者の皆さんは決して多くないものと考えられます。
一方で VShojo公式サイトは所属タレントを「弊社のタレント達です」と紹介。この「弊社のタレント」という表現が完全な個人勢とは言えない表記であるようにも映ります。
また頻りに”個人勢”を強調する ksonの背景には、所属タレントに「(実態はともかく) あくまで個人勢」という立場を示させることで前述のような著作物利用に関するガイドラインへの抵触を避けようとしているのではないかとの穿った見方も (同社の著作権に杜撰な側面も鑑みて)。ただ、これを一概に考え過ぎだとは一様に言い難いのではないでしょうか。
果たして ksonは明確に”個人勢”でしょうか。それとも”企業勢”でしょうか。それまで企業に所属していない個人勢として問題にならなかったことが、VShojo加入によってクローズアップされるようになっております。
VShojoはどう応えるか
VShojoは「エージェンシー」という“個人勢支援的形態”を標榜する米国発のVTuber事務所であり、これまでのVTuber事務所・グループとは異なった見方が求められるでしょう。
一方でYouTubeよりTwitchを主戦場としてきたことから、前述の著作権に杜撰な側面などは外国視聴者の寛容によって見過ごされてきた面もございます。
しかしこの度「Vshojo Japan」を立ち上げ日本への本格進出を発表。ksonに加え 飴宮なずなのデビューも発表したことで、これまでにない視線が向けられる段階へと突入しております。
これらを「所属タレントは個人勢であるから関知しない」とすれば、個人勢を名目とした事実上の企業勢隠しではないかとの批判を免れないことでしょう。
VShojoはこれらにどう応え、日本を含む世界中の視聴者・ファンの信用を獲得していけるのか否か。今後も注目が集まります。
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(第2チーム/バーチャル・メタバース・VTuber・ボカロ・初音ミク情報)
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