10月29日現在、バーチャルYouTuber (VTuber) 「キズナアイ」 に関するいわゆる「政治的発言」「運営権譲渡」について、主要メディアにおける報道がほぼ行われないままである状況が続いています。
政治的発言 3週間経過も…
10月28日7:00現在、中国語版キズナアイ (通称名・紗利雅 (サーリア) ) が日本固有の領土である尖閣諸島および台湾 (中華民国) を中国領であるとした政治的発言に関する主なメディアの報道はロケットニュース24のコラムのみとなっています。
【炎上】中国語を操るキズナアイ “4号” が「台湾は中国領」の表記で炎上 / なぜか中国ネットでも失望の声 → その理由
ロケットニュース24
このコラムが公開されたのは10月8日であり、既に10月29日現在をもって3週間が経過していますが、この間本件に関する主要メディアの報道は特に行われていない模様です。
本件は中国、台湾、日本のユーザーを巻き込んでの問題へと発展しているにも関わらず (8月中旬に中国のbilibili上にて公開されたActiv8の声明については日本国内でも報道が相次いだものの) 未だに”沈黙”が続いている状況です。
運営権譲渡 当局イベント参加との関連は
また中国語版キズナアイの運営権がActiv8から中国の大手企業「ネットイース (網易)」に譲渡されている件についても主要メディアにて直接言及された報道は10月29日現在特に見当たらない模様です。
さらに10月21日、中国政府主催イベントのサブフォーラム「ネットワーク文化と若者」にてキズナアイがネットイース傘下のバーチャルタレント (网易旗下的“绊爱”) として紹介されていたことが明らかとなりましたが、こちらについても10月29日現在直接言及した主要メディアは特に見当たらない模様です。
このフォーラムは中国共産党の下部組織である若手エリート組織「中国共産主義青年団 (共青団)」によるものではないかとする見方もあるとのことです。よって今後は当局が中国企業を通じてActiv8からキズナアイの一部運営権を得る可能性も考えられるところから、日本国内で報道されても決して不思議ではないものです。
“敏感的問題” 慎重対応の可能性も
本件2つは前述のロケットニュース24のコラム内でも取り上げられているように「敏感的問題 (センシティブな問題)」であり、主要メディアにおいては信憑性のある情報かどうかについてのファクトチェックを慎重に行っている可能性があります。
他にも自社業務が中国にも関連しているため当局に配慮している、情報が拡散し国際問題化するのを避けるためあえて取り上げず静観しているといった可能性も有りうるところでしょう。
この”沈黙”…果たして今後も続くのでしょうか。
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