バーチャルタレント支援プロジェクト「upd8 (アップデート)」を運営するActiv8代表取締役の大坂武史氏は2月22日、キズナアイが「第17回日経イノベーター大賞 (日経BP社主催)」日経クロストレンド賞を受賞したことを受け日経ビジネスのインタビューに応じました。

初音ミクとの違い
大坂氏はかつて一世を風靡したボーカロイド・初音ミクとキズナアイとの違いについて「明確な人格」を有し「彼女自身が我々と同じ時間軸、同じ世界観を生きている」ことを挙げ、その世界観を表現する舞台がVR (仮想現実)であるとします。
またバーチャルタレントはVRゴーグルを通して家にいながら「会いに行ける」として「人々をVRの世界にいざなうキラーコンテンツになると思っている」とします。
VR>現実世界
大坂氏はバーチャルタレントがこの先さらにメジャーになるための答えとして「現実の体験価値をVR内での体験価値が上回る」ことを挙げます。
人間では不可能だった「理想のタレント像」の追求例として「外見をあえてリアルにすることで、人の感情を揺さぶることも可能」とします。ディズニー映画「リメンバー・ミー」に登場するキャラクターなど「脳に直接訴えかける表現ができる」ことにバーチャル空間であることの価値があるとします。
5年後の「Xデー」に向けて
大坂氏は「やがて、バーチャルタレントは、人間のタレントやインフルエンサーと同じように見られる」として、そのXデーが「5年後」であると予測します。
かつて初音ミクが世間における誤解や偏見を払拭し今日の成功を築き上げるまでには2007年から10年は要するものでしたが、そうした挑戦などによって今日、キズナアイなどのバーチャルタレントが人々に広く受け入れられる環境が整いつつあります。
最後に大坂氏は「バーチャルタレントが当たり前になっても、キズナアイが歩んできた歴史は代替不可能。だからこそ活動を続けていってほしい」とします。
来るべき未来に向けた挑戦は、まだまだ続きます。
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