プレステのデザイナー・後藤禎祐氏 歴代プレステで貫かれた「直感的デザイン」を語る

初代プレステ (PlayStation)、プレステOne、プレステ2、プレステ3本体やコントローラーのデザインを手掛けた後藤禎祐氏が、プレステシリーズの「直感的に分かる」デザインコンセプトについて雑誌「ケトル VOL.51」で語っています。

プレステのデザイナー・後藤禎祐氏 歴代プレステで貫かれた「直感的デザイン」を語る (ケトル VOL.51)

その時代の最先端のパフォーマンスを追求することで任天堂やマイクロソフトとは異なるゲームの世界を見せてきたプレイステーション。後藤氏は先ずそうしたプレステのアイコンとしてコントローラーのボタンにも採用されている「△〇×□」について触れています。

後藤氏によれば最初は他社と同じA、Bなどの表示で試作を進めていたものの、他社と同じことはしたくないソニーのデザイナーの精神を反映し、誰でも覚えやすいアイコン「△〇×□」の組み合わせを思いついたとのこと。○と×はYESとNOで色は赤と青、△は頭や視点を表し色は信号機にならって緑、□は紙でメニュー・文書を示すもの、色は全体のバランスからピンクにしたとのことです。

さらに2つのアナログスティックと振動機能を追加し現在のプレステコントローラーの基本形となった「DUALSHOCK」については、当時任天堂が発売していたNINTENDO64 (ニンテンドウ64/ロクヨン) のコントローラーデザインから刺激を受けた様子を明らかに。ロクヨンのコントローラーは3つのグリップを設けその中央に3Dスティック (アナログスティック) を配置する独創的なもので、グリップの持ち替えによって様々なゲームを楽しめる仕様となっており、実際にレフトポジション (十時ボタン側と3Dスティック側のみでの操作) でのプレイも可能な「罪と罰」などの名作アクションシューティングも生まれました。

後藤氏はこうしたロクヨンコントローラーに驚きを受ける一方、プレステでは2本のグリップの各々にスティックを設けることで自然な操作が出来ることを発案。このデザインは後に任天堂もゲームキューブ以降に同様のスタイルのコントローラー (「クラシックコントローラー」としてWiiやNintendo Switchでも愛用される) に採用するなど、現在はあらゆるゲーム機のスタンダードとなっています。

「プレステ」と言うとどうしてもコアゲーマーが求めるスペック面がクローズアップされがちですが、こうした「直感的」な設計思想や、あえて新型機の名称をプレステ4、プレステ5などのようにナンバリングとすること、さらにコントローラーの基本的形状も大きく変えないといった「変わらない安心感」を多くの人々に訴求してきた事も今日までプレステが愛され続ける理由の1つと言えるところでしょう。

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歴代のプレイステーション 貫かれた「直感的にわかる」という思想

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