ジムニー女子急増中! 購入前に見ておきたいポイント

現行型ジムニー (JB64型) /ジムニーシエラ (JB74型) は従来のジムニーファン「ジムニスト」や男性ドライバーだけでなく、それまでジムニーに乗る機会の無かった女性からも注目を集めている。その機能性に徹した無骨なデザインや内装が新鮮味をもって受け止められており、いわば「ジムニー女子」が急増しているいう話もあるようだ。

ジムニーは快適性が増した現行型においても他乗用車とは異なる様々な留意点がある。前提として一般的な軽や小型車とは異なる「本格クロカン」であることを念頭に置いておく必要がある。と言ってもそれらは決して難しいものではないし、カスタムによって自分好みに仕上げていくことも可能なので決して怖がる必要はない。ジムニー特有のクセなどを理解することこそジムニーライフを楽しむ近道だからだ。

今回は P2y.jp 運営代表が2018年 (平成30年) から現行型ジムニーを乗り続けて感じた留意点をまとめた。ジムニー女子候補の女性はもちろん、これからジムニーに乗りたいと希望する方は参考にしてほしい。

新型ジムニーへの「支持」が物語るもの

ジムニー (JB64 XC ジャングルグリーン)

主な留意点

乗降時

女性ドライバーが最も気を使うことになるかもしれない点として「運転席からの乗降のしやすさ」が挙げられる。ジムニーは悪路走破性を高めるために最低地上高が大きく取られているため、特にスカートを履いている時などの乗り降りには気を使うことになるかもしれない。

ただランクルなどの大型クロカンと比べればジムニーは十分乗降しやすい部類に入る。

これは体格によって変わってくる点であるため、実際にディーラーの試乗車などで確認してほしい。

収納

ジムニーの内装は機能性に徹した設計となっているため快適性を高めつつも過度な装備は抑えられている。収納スペースも豊富なハスラーなどと比べると、実用面ではジムニーは割高であるように映るだろう。近年標準装備されることが多いUSB給電端子も (最上位グレードであっても) 備えられていない。あくまで悪路走破性を重視したメカニズムにコストが割かれているため、割り切りが必要な部分ともいえる。

特に注意が必要なのが、多くの車が当たり前のように装備している「エアコン吹出口のカップホルダー」が無い事だ。店で買った飲み物を冷風・温風で冷やしたり温めたりしながらドライブするといったシチュエーションを重視するなら、カー用品店にあるような社外品も活用してみるのがよいだろう。ジムニーならボルト穴に取り付け可能なホルダーを利用するのが最もスマートだ。

ジムニー専用ドリンクホルダーなど一覧

トランクは後席を畳まないと殆ど活用出来ないものと考えておこう。

一方ジムニー伝統の横開きのリアドアは利用シーンによってメリットにもデメリットにもなりうる。駐車スペースの背後が狭い場合は荷物の出し入れに難儀するかもしれないし、跳ね上げ式のように雨除け代わりにもならない。車高の高さが荷物の出し入れに影響することもある。総じて日常的な買い物用途の設計ではないので要確認をしておきたい。

乗り心地

現行型ジムニーは街乗り性能が向上しており、一般的な整備された幹線道路を走る分には特に大きな不満は感じない。しかしあくまで悪路走破性を重視した設計のため、一般的車ではさほど揺れない段差でも足まわりのサスが大きく動いてそれなりに揺さぶられるし、ラダーフレーム特有の突き上げを感じる局面もある。試乗などで確認しておきたい。

操舵感

ジムニーのステアリングは「ボール・ナット式」という路面からのキックバックを低減するもので耐久性にも優れるが、現在主流の「ラック アンド ピニオン式」と比べて操舵感が曖昧で、これまで乗っていた車と比べてハンドル操作に違和感を覚えることがある。

具体的には「慣れないとカーブで思った以上に膨らんでしまう」事があったりする。先代までと比べ改良されてはいるものの、ボール・ナット式特有のクセは依然存在する。

対策としては「カーブで少し早くハンドルを切る」ことだ。最初は戸惑うことがあるかもしれないが、慣れると普通に曲がれるようになる。むしろこれもまたジムニーならではの「味」と思えてきたりするのだ。

エンジン

ジムニーのエンジンは「R06A」のターボ仕様で、ジムニーならではのセッティングが施されている。トランスミッションはCVTではなく5MTや4ATのため回転数は高めで挙動も少なからず異なるが、回転数と速度が違和感なく連動するダイレクト感はCVT車には無い長所。オフロードから街乗りまで幅広く対応出来るだろう。

ただ現行型ジムニーの車体重量は1トンを上回るため、それなりに踏み込まないと加速が鈍く高速道路の本線合流などに手間取る場面もあるかもしれない。後述する燃費面も含め、毎日長距離通勤するといった人によっては快適性とコスト両面で気になる方が出てくるかもしれない。勿論これらはカスタムによって解消出来る点ではあるが、より余裕あるドライブを望むなら1.5L「K15B」エンジン搭載のジムニーシエラも視野に入れておきたい。

燃費・維持費

「ジムニーは燃費が悪い」。これはある意味ジムニーの宿命でもある。カタログ燃費ですら平均13.2km/L、街乗りに至っては11.0km/L (いずれも4AT仕様)。普通の軽なら敬遠されそうなおぞましい数値が堂々と並ぶ。隠す気など全くない。そこが何とも漢らしい。

スズキの軽でおなじみのマイルドハイブリッドは非搭載、アイドリングストップも非搭載。故障要因となりそうな最新機器をあえて避けている。燃費よりいざという時の信頼性を優先する、ジムニーならではの合理的設計といえるのだ。燃料タンクが40Lと大きいのも燃費を考慮したものだ。

ただ実燃費はそこまでシビアではなく、不要な加速を控えるなど安全運転を心掛ければ街乗り13km以上/Lは普通に達成出来るし、幹線道路走行なら16km以上/Lに届くこともある。5MT仕様車ならさらに低燃費を狙えるだろう。

これは他のマイルドハイブリッド搭載車の実燃費と比べても「極端に悪い」ものではなく、むしろ燃費が悪化しやすい要素を抱えながらの中では大健闘といってよい。

これに軽の比較的安価な維持費も勘案すれば、燃費からくるガソリン代はともかく、全体的なコストは決して気が遠くなるようなものではない。バッテリーもアイドリングストップ対応仕様ではなく安価な汎用品を使えるし、アイドリングストップ車にありがちなセルモーターの故障も問題とはなりにくい。なにより余分な機器を非搭載としたことで故障リスクを低減している。そうした堅牢さにより他車より長く大切に乗り続けることが出来る。40Lの大型タンクもいざという時を考えると心強いだろう。

実はジムニー、トータルコストではいわゆるエコカーより割安なエコカー?といえるのかもしれない。

当然ながら「エコカー減税対象外」なので税制面の優遇は無い。それでもトータルで見ればいわゆるエコカーよりコスト面で優れた魅力がある。日頃の買い物など走行距離が短い場面ならそこまで大きな問題とはならないはずだ。

なおオフロード走行時の燃費はさすがに “ジムニーらしい数値” だ。そこはあしからず。

ぜひあなたもジムニストに

ジムニーは「面白い車」だ。

一昨年から乗り続けてもまだまだ発見があるし、運転に慣れて飽きるといったことが全くない。慣れたかな?と思っていると「甘いな、まだまだ乗りこなせてないぞ」と教えてくれる。昨今の新車の多くが誰でも快適に運転出来る高い完成度を誇る中で、これほど他にないものを感じさせてくれる車は無いだろう。

今回は長所・欠点共に包み隠さず記したが、正直「あのデザインが気に入った」「可愛い」といった第一印象で選んだとしても全く問題ないと思う。最初は慣れない点が出てくるかもしれないが、それも含めて価格以上の体験をさせてくれる車だ。決して後悔はしないだろう。

そしてある程度慣れてきたら、ぜひとも近場のちょっとした林道など「オフロード」に足を踏み入れてみてほしい。四駆走行に切り替わった瞬間、それまでの街乗りとは異なるジムニーの真の姿を感じることが出来るからだ。

最後に、この記事が皆さんのジムニーライフを決める一助となれば幸いです。

(文・アポロ船長)

ジムニー関連書籍・雑誌一覧

ジムニーカテゴリの最新記事