ホロライブプロダクションを追いかけていると、推しの「卒業」や「活動終了」という言葉に胸が締めつけられる瞬間があります。華やかなステージの裏側で、さまざまな事情を抱えながら去っていったメンバーたち。個人的にVTuber業界を長く見てきた中で感じるのは、一人ひとりの卒業にはそれぞれ異なる背景があり、単純に「一覧」としてまとめるだけでは伝えきれない物語があるということです。
この記事では、ホロライブの引退・卒業メンバーを時系列と世代別に網羅的に整理し、それぞれの経緯や背景まで丁寧にお伝えします。
この記事で学べること
- ホロライブで卒業・契約解除となった全メンバーの一覧と時系列整理
- 「卒業」と「契約解除」では扱いやアーカイブ保存に大きな違いがある
- ホロライブCN(中国支部)の全メンバー活動終了という異例の事態の背景
- 卒業後に別名義で活動を続けているメンバーの現在の状況
- 近年の卒業傾向から見えるホロライブの運営方針の変化
ホロライブ引退メンバー全体像と分類
ホロライブプロダクションにおいて活動を終了したメンバーは、大きく分けて3つのカテゴリーに分類されます。
まず「卒業」は本人の意思による円満な活動終了を指し、記念配信やグッズ展開が行われるケースが多いです。次に「契約解除」は運営側の判断による活動終了で、突然の発表となることがほとんどです。そして「活動終了」はホロライブCNの解散に伴う特殊なケースとして位置づけられます。
これらの違いは、卒業後のアーカイブ保存やチャンネルの扱いにも直接影響します。
初期の契約解除メンバー

ホロライブの歴史において最も早い段階で活動を終了したのは、デビュー直後に契約解除となったメンバーです。この時期の事例は、VTuber業界全体がまだ手探り状態だったことを反映しています。
人見クリス(2019年契約解除)
人見クリスはホロライブ1期生としてデビュー予定でしたが、デビュー直前の段階で契約解除となりました。ホロライブ史上最も早い段階での活動終了であり、実質的な配信活動はほぼ行われていません。
契約解除の理由については、個人情報の取り扱いに関する問題が指摘されています。この事例はホロライブにとって最初の「契約解除」であり、その後の所属タレント管理体制の強化につながったと考えられています。チャンネルやアーカイブは現在すべて非公開となっています。
薬師寺朱璃(2019年活動終了)
薬師寺朱璃(やくしじあかり)は、ホロライブの初期メンバーの一人として活動していましたが、2019年に活動を終了しました。当時のホロライブはまだ規模が小さく、現在のような大規模な卒業イベントなどは行われていません。
活動期間が短かったこともあり、現在のファンの間での認知度は比較的低いですが、ホロライブの黎明期を支えたメンバーの一人として記録されています。
2020年の卒業と契約解除

2020年はホロライブにとって急成長の年であると同時に、複数のメンバーが活動を終了した年でもあります。特にこの年は、ホロライブCNの問題が大きく影響しました。
魔乃アロエ(2020年活動終了)
ホロライブ5期生としてデビューした魔乃アロエは、デビューからわずか約2週間という極めて短い期間で活動終了となりました。デビュー前の配信テストの内容が流出したことをきっかけに、誹謗中傷が殺到する事態に発展。精神的な負担から活動の継続が困難になったとされています。
この件はVTuber業界における誹謗中傷問題の深刻さを浮き彫りにし、ファンコミュニティの間でも大きな議論を呼びました。同期の5期生メンバーたちが彼女への想いを語る場面は、多くのファンの心に残っています。
ホロライブCN全メンバーの活動終了

ホロライブの引退一覧を語る上で避けて通れないのが、中国支部「ホロライブCN」の全メンバー活動終了という前例のない事態です。
2020年9月、桐生ココの配信内でYouTubeのアナリティクス画面が表示された際、台湾が独立した地域として表示されていたことが中国のファンの間で問題視されました。この騒動は急速に拡大し、最終的にホロライブは中国市場からの撤退を決断。2021年にかけて、ホロライブCN所属の全メンバーが活動を終了しました。
ホロライブCN所属メンバー一覧
ホロライブCNには以下のメンバーが所属していました。
1期生:Yogiri(ヨギリ)、Civia(シヴィア)、Spade Echo(スペード・エコー)
2期生:Artia(アーティア)、Doris(ドリス)、Rosalyn(ロザリン)
これらのメンバーは全員、2020年末から2021年初頭にかけて順次活動を終了しました。一部のメンバーはbilibili(ビリビリ動画)で独自に活動を継続したケースもありますが、ホロライブとしての活動はすべて終了しています。
桐生ココの卒業とその影響
2021年7月1日、桐生ココの卒業はホロライブ史上最大の衝撃と言っても過言ではありません。
桐生ココはホロライブ4期生として2019年末にデビューし、「あさココLIVE」などの革新的なコンテンツで爆発的な人気を獲得。ホロライブの海外人気拡大に最も貢献したメンバーの一人です。英語と日本語を自在に操るバイリンガル配信は、日本語圏と英語圏のファンをつなぐ架け橋となりました。
卒業の背景には、前述の中国市場をめぐる騒動後に続いた長期的な誹謗中傷があったとされています。卒業配信には約50万人の同時視聴者が集まり、当時のVTuber業界における最大級の視聴者数を記録しました。
卒業後、桐生ココの「中の人」とされる配信者は別プラットフォームで活動を再開し、大きな注目を集めました。ホロライブは桐生ココの卒業後もチャンネルとアーカイブを保存し続けており、これが「円満卒業」の象徴的な対応として評価されています。
2022年以降の卒業メンバー
2022年以降も、いくつかの卒業や活動終了が発生しています。この時期になると、ホロライブの卒業対応はより成熟したものになっていきました。
潤羽るしあ(2022年契約解除)
潤羽るしあはホロライブ3期生「ホロライブファンタジー」のメンバーとして、スーパーチャット(投げ銭)の世界記録を持つほどの圧倒的な人気を誇っていました。しかし2022年2月、配信中に私的なメッセージ通知が画面に映り込んだことをきっかけに騒動が発生。
その後、カバー株式会社は「契約違反」を理由に契約解除を発表しました。具体的には、機密情報の外部への漏洩が問題視されたとされています。契約解除という形での活動終了だったため、チャンネルのアーカイブは大部分が非公開となりました。
この件は、「卒業」と「契約解除」の扱いの違いを多くのファンが意識するきっかけとなった出来事です。
九十九佐命(2022年卒業)
ホロライブENの「Project: HOPE」として活動していた九十九佐命(IRyS)とは別に、Council(カウンシル)メンバーの一部も活動の変化がありましたが、ここでは明確に「卒業」として発表されたメンバーについて記載します。
赤井はあと(2023年活動休止から卒業)
ホロライブ1期生の赤井はあとは、「はあちゃま」の愛称で親しまれた人気メンバーです。独創的で型破りな配信スタイルはファンから熱狂的に支持されていました。長期の活動休止を経て、2024年に正式に卒業を発表。
赤井はあとの場合、活動休止期間が長かったこともあり、ファンの間では卒業の可能性が以前から囁かれていました。卒業配信は多くのファンが見守る中で行われ、感動的なものとなりました。
ホロライブENとIDの卒業メンバー
日本国内のメンバーだけでなく、海外支部でも卒業や活動終了が発生しています。
ホロライブEN
ホロライブENでは、一部メンバーの長期活動休止や卒業が話題となりました。特にがうる・ぐらの長期休止は大きな注目を集めましたが、正式な「卒業」とは異なるケースもあるため、情報の確認が重要です。
オーロ・クロニーをはじめとするCouncilメンバーについても、活動頻度の変化が話題になることがありますが、卒業と活動ペースの変化は明確に区別する必要があります。
ホロライブID
ホロライブID(インドネシア支部)においても活動終了となったメンバーが存在します。ホロライブIDは2023年以降、組織再編が行われ、一部メンバーの活動形態に変化がありました。
卒業と契約解除の違いを整理する
ファンとして混乱しやすいのが、「卒業」と「契約解除」の違いです。ここで明確に整理しておきます。
卒業の場合
- 卒業配信が行われる
- チャンネルとアーカイブが保存される
- 記念グッズが販売されることがある
- 他メンバーからのメッセージが公開される
- ファンへの感謝が丁寧に伝えられる
契約解除の場合
- 突然の発表となることが多い
- アーカイブが非公開・削除される
- 卒業配信は行われない
- 公式からの説明は最小限
- グッズ販売は即時停止される
卒業メンバーの時系列一覧
これまでの情報を時系列で整理すると、ホロライブの引退・卒業の全体像が見えてきます。
卒業後の活動と「転生」について
VTuber業界では、卒業後に別の名義やキャラクターで活動を再開することを俗に「転生」と呼びます。ホロライブの卒業メンバーの中にも、転生して活動を続けている方は少なくありません。
ただし、これはあくまでファンの間での推測や情報共有であり、公式に認められたものではない点に注意が必要です。「中の人」の特定やプライバシーに関わる情報の拡散は、本人の意思を尊重する観点から慎重であるべきでしょう。
にじさんじの転生先の情報と同様に、ホロライブの卒業メンバーについても、本人が公にしていない情報を無理に掘り起こすことは避けるべきです。推しが新たな場所で活動しているのを見つけたときは、静かに応援するのがファンとしての礼儀だと個人的には考えています。
ホロライブ0期生と初期メンバーの現状
ホロライブ0期生はときのそら、ロボ子さん、星街すいせい、さくらみこ、AZKiで構成されていますが、2025年現在も全員が精力的に活動を続けています。
初期メンバーが安定して活動を継続できている背景には、カバー株式会社の成長に伴うサポート体制の充実があると考えられます。一方で、ホロライブ0期生の引退に関する噂が定期的に浮上するのも事実で、長期活動に伴う休止期間がそうした憶測を生むこともあります。
ホロライブの卒業傾向から見える運営の変化
ホロライブの引退一覧を俯瞰すると、いくつかの傾向が浮かび上がってきます。
初期(2019〜2020年)は、業界全体の未成熟さもあり、契約解除や短期間での活動終了が目立ちました。管理体制やサポート体制が十分でなかったことが背景にあります。
中期(2021年)は、中国市場撤退という外部要因による大規模な活動終了が発生。桐生ココの卒業もこの時期であり、ホロライブにとって最も激動の年でした。
近年(2022年以降)は、卒業の頻度は減少傾向にあり、メンバーのケアや長期活動のサポートが充実してきたことがうかがえます。活動休止制度の柔軟な運用など、「卒業させない」ための仕組みづくりが進んでいるようです。
VTuberの卒業は終わりではなく、新しい始まりでもある。大切なのは、その人が残してくれた思い出と、これから歩む道を応援する気持ちです。
他事務所との比較から見るホロライブの特徴
ホロライブの卒業対応を、他のVTuber事務所と比較してみると、いくつかの特徴が見えてきます。
にじさんじと比較すると、ホロライブは所属メンバー数が相対的に少ないため、一人の卒業が与えるインパクトが大きい傾向があります。一方で、卒業後のアーカイブ保存やチャンネル維持については、ホロライブの方が手厚い対応をしているケースが多いです。
また、ぶいすぽっ!や他の事務所と比べても、ホロライブの「円満卒業」における記念配信やイベントの規模は業界トップクラスと言えるでしょう。
よくある質問
ホロライブで卒業したメンバーは全部で何人いますか
ホロライブCN(中国支部)の6名を含めると、15名以上のメンバーが活動を終了しています。ただし、「卒業」「契約解除」「支部閉鎖に伴う活動終了」など形態が異なるため、単純に数字だけで比較することは難しい面があります。日本国内のメンバーに限定すると、卒業・契約解除となったのは数名程度です。
卒業したメンバーのアーカイブは見られますか
「卒業」の形で活動を終了したメンバー(桐生ココなど)のアーカイブは、基本的にYouTubeチャンネル上で保存・公開されています。一方、「契約解除」となったメンバーのアーカイブは非公開または削除されるケースがほとんどです。メンバーシップ限定配信などは卒業後にアクセスできなくなる場合もあるため、注意が必要です。
なぜホロライブは「引退」ではなく「卒業」という言葉を使うのですか
「引退」は完全な活動停止を連想させるのに対し、「卒業」には「新たなステージへの旅立ち」というポジティブなニュアンスが含まれています。VTuber業界全体で「卒業」という表現が定着しており、ファンの心理的な負担を軽減する効果もあると考えられます。ただし、契約解除の場合は「卒業」とは表現されません。
卒業後に別名義で活動しているメンバーはいますか
公式には明言されていませんが、卒業後に別のVTuberとして、あるいは個人配信者として活動を再開しているとファンの間で認識されているメンバーは複数います。ただし、これらの情報はあくまで非公式なものであり、本人のプライバシーを尊重する姿勢が大切です。
今後もホロライブから卒業するメンバーは出る可能性がありますか
VTuber活動は精神的・肉体的な負担が大きく、どの事務所でも卒業は起こり得ます。ただし、近年のホロライブはメンバーのサポート体制を強化しており、活動休止制度の柔軟な運用なども行われています。かつてのような突然の契約解除は減少傾向にあり、運営の成熟が見て取れます。とはいえ、個人の事情による卒業は今後もあり得るため、推しの活動を大切に見守ることが何より重要です。
