ホロライブEnglish 3期生VTuber「Advent」デビュー ここまで新人が見送られてきた背景を探る

VTuber事務所 ホロライブプロダクションの英語女性グループ「ホロライブEnglish (hololive-EN)」では、約2年ぶりとなる新人タレント“Advent”5名のデビューとなります。

画像引用元:プレスリリース
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これまで新人デビューが見送られてきた背景

同グループは、2020年9月に1期生“Myth (神話)”の5名がデビューされて以降、これまで11名がデビュー。7月25日現在で10名が在籍しており、今回の“Advent”デビューで15名を抱えることになります。

この間、海外のVTuber業界は著しく発展し、他の事務所・グループ等の躍進も相次ぎましたが、同グループは次々と新人をデビューさせることはなく、一貫して少数精鋭を貫いてきております (英語男性グループ「ホロスターズEnglish (HOLOSTARS-EN)」立ち上げもありましたが、それを含めても少数となります)。

同グループにこれまでなかなか新人タレントがデビューしなかった理由は不明ですが、考えられる背景としては次のようなものが挙げられます。

先ず考えられるのは「海外展開特有のリスク」です。VTuber事務所・グループを巡っては、つい数年前までは日本国内だけの運営でもトラブルが絶えなかっただけに、地域事情や配慮すべき事柄がより複雑な海外展開は慎重にならざるを得ず、タレント志望者となる外国人の選抜も日本人より慎重になることは避けられません。ホロライブプロダクションを運営する カバー株式会社も、海外展開を行う日本の事務所・グループ・企業や、現地の事務所・グループ・企業の現状について十分分析していることでしょう。そうした内容を踏まえて、単に機会損失になる、他の事務所・グループに有望な人材を奪われるからという短期的視点で性急にタレントを増やす選択には至らなかった可能性も考えられます。

次は「2期生“Council(議会)”を踏まえた判断」です。“Council”は様々な統計上のデータより、相対的に1期生“Myth”より成功していないのではないかとの揶揄的見方をされる向きがございます。当初の期待ほど伸びていない、1人もチャンネル登録者数100万人に達していない…という指摘もそうした誹りの1つと思われます。実際には決して“Council”は成功していないわけではありませんが、3期生“Advent”に向けたデビュー及び活動方針をどのようにすべきかを、“Myth”だけでなく“Council”の現状を踏まえて慎重に詰めてきた可能性も考えられます。

更に「ホロライブ6期生『秘密結社holoX』の動向」も作用した可能性があるでしょう。holoXは2021年 (令和3年) 11月のデビューから1年半以上が経過しており、奇しくもholoXと似た雰囲気が感じられる“Advent”のデビュー形式にも影響を与えたかもしれません。また、初の双子タレントによる共有チャンネル・アカウントという試みも、従来のデビュー形式からの変化を狙ったものであると考えられます。

そして最後に「グループ初のロサンゼルスライブを成功裡に終えた」ことで、新人タレントデビューに向けた体制が整ったことが考えられます。本ライブ「hololive English 1st Concert -Connect the World-」の成功は、これまでの同グループの1つの集大成となるものであり、そして新たなスタートを象徴するものとなりました。

また、仮に今月の新人タレントデビューの発表が見送られていた場合、ホロライブプロダクションは「VTuber事務所・グループ史上初となる平均チャンネル登録者数100万人」を達成する可能性がございました。今回の“Advent”デビューにより、その快挙からは暫く後退することになりますが、同事務所からはこれまで目先の数字より将来を見据えた選択を行ってきたことがうかがえるだけに、こうした些細な記録にはほぼ全く意識・執着していないことでしょう。

この度デビューされる“Advent”の5名─シオリ・ノヴェラ (Shiori Novella) さん、古石ビジュー (Koseki Bijou) さん、ネリッサ・レイヴンクロフト (Nerissa Ravencroft) さん、フワワ・アビスガード (Fuwawa Abyssgard) さん、モココ・アビスガード (Mococo Abyssgard) さんは、7月30~31日にデビュー初配信を実施されます。彼女達が初配信で見せる姿から、今後の ホロライブEnglish及び、ホロライブプロダクション、カバー社の方向性が見えてくるかもしれません。

hololive(ホロライブ)公式サイト

ホロライブプロダクション

(P2y.jp 管理代表者「2号さん (仮)」/バーチャル・メタバース・VTuber情報)

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