ホロライブのカバー社 “1つの中国” 政治的姿勢表明などの経緯を公表 谷郷社長は役員報酬を一部返納

ホロライブのカバー社 “1つの中国” 政治的姿勢表明などの経緯を公表 谷郷社長は役員報酬を一部返納

バーチャルYouTuber (VTuber) 事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社は9月30日、同社が台湾 (中華民国) を中国の一部地域であるとする中国共産党政府の「1つの中国」の原則を支持するとの声明などを発表した一連の問題についての経緯を公表しました。

9月27日 (日) に公表した公式声明における敬意説明と今後の弊社方針につきまして

このたびは、先般の公式声明において混乱を招いてしまい、誠に申し訳ございません。

2020年9月27日(日)に、弊社所属タレントにおけるYouTubeチャンネル統計データの無許諾使用、ならびに弊社社内ガイドライン(サービス提供国の社会通念および当該国の方針を配慮する旨)に反する行為・言動が確認されたことを受けて、弊社より本件のお詫びとタレントへの対応措置について公表をさせていただきました。

しかしながら、本公表におきまして、中国向けとして投稿した内容と日本向けに展開した内容について齟齬がございました。本件につきましては、不用意に混乱を招く事態となりましたこと、深くお詫び申し上げます。

当初投稿した公式声明が公表されるまでの経緯につきまして、ご説明いたします。

<経緯>

1.本行為・言動が発生した際、「ホロライブプロダクション」所属タレントに対する誹謗中傷や声明・身体を脅かすような書き込み等が多量に発生する事態となった。本件の対応としては、当該発言の動画の配信停止ならびに削除を実施した。

2.当該発言の動画の配信停止ならびに削除を実施したものの状況は改善されなかったため、社内で定められた基準により、公式声明と当該タレントの処分の発表を決定した。

3.公式声明の作成にあたっては、中国現地の協力会社とも慎重に検討した結果、タレントや社員らの安全と活動を守るため、中国向けの声明としては、問題となった発言に対し強く言及する声明を出さなければ解決が難しいという指摘を受けた。

4.以上の状況を受け、最優先すべきタレントと関係者の安全を担保するためには弊社からのいち早い声明が必要だと判断し、緊急措置として連日の公式声明に至った。

上記経緯により、結果的に一部の国や地域に対し、配慮にかけた表現の趣旨を内包する公式声明を公表する形となってしまいました。本件につきましては、国内外にご迷惑をおかけする問題であったと痛感しており、深く反省しております。

現在「ホロライブプロダクション」は世界中の国や地域でご視聴いただいており、弊社といたしましては、サービスを提供するそれぞれの国や地域の法律や慣例慣習、社会通念など、その時点で決定されている当該国の政府の方針に基づきサービス提供することを原則としております。

ついては、サービスを提供する国や地域によってポリシーやガイドライン、コミュニケーションが異なるため、それぞれに合わせた伝え方や内容に配慮した声明内容となりました。公式内容に相違がある公式声明を発表してしまい、混乱を招いてしまったこと、改めて深くお詫び申し上げます。

本内容において混乱を引き起こしてしまったことを真摯に受け止め、経営責任を明確化するため、2020年9月29日(火)に実施した緊急経営会議におきまして、代表取締役社長へと厳重注意処分を行うと共に再発防止としてコンプライアンス委員会の設置等を決議いたしました。さらに、弊社代表取締役社長におきましては、本事象を重く受け止めており、役員報酬の一部を自主返納いたします。

今後も弊社が発表する声明に関しましては、各国の法律やその時点で決められている方針に基づいたものを前提として対応いたします。また、いずれの立場に置いても公平を保った範囲で、表現や発言の自由を準拠する方針を明確な社内規定として制定し、ガイドラインをより強固なものとしてまいります。

引き続き、皆様へより良いサービスを提供させていただくために、常に真摯な態度でお客様と向き合うことを約束し精進してまいりますので、ご支援のほど何卒よろしくお願いいたします。

本件のお問合せについて、タレントへの連絡はご遠慮いただくようお願い申し上げます

2020年9月30日(水)
カバー株式会社

9月27日(日)に公表した公式声明における経緯説明と今後の弊社方針につきまして

カバー株式会社

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