バーチャルYouTuber (VTuber) 事務所「ホロライブプロダクションを」運営するカバー株式会社は9月27日、中国の動画プラットフォーム「bilibili (ビリビリ/哔哩哔哩)」上で公開した声明文にて台湾 (中華民国) を中国の一部地域であるとする中国共産党政府の「1つの中国」の原則を支持すると表明しました。
これは同社所属タレントの桐生ココによる9月25日の生放送配信番組「あさココLIVE」において、YouTube側の仕様により「台湾」の記述のあるアナリティックスデータを紹介した事などに中国の一部視聴者が反発 (中国は台湾を独立国であると認めておらず、「1つの中国」の原則を表明しています) したことを受けてのものと考えられます。
bilibili
“政治” 持ち込み 安易な謝罪 視聴者から非難と失望の声
今回のカバー社の声明文の内容を巡っては日本を含む自由民主主義圏 (西側諸国) の視聴者を中心に非難が相次いでおり、VTuber業界というエンターテイメント業界に政治を持ち込むものであるとして厳しい批判が巻き起こっています。
また今回のきっかけもYouTube側のアナリティックスデータの仕様により「台湾」と表示されたものを所属タレントが偶然紹介したというものであり、故に「安易な謝罪」や「センシティブな政治的問題に言及する声明」を公開するに至ったカバー社の姿勢にはホロライブプロダクション所属タレントの生放送配信の視聴者からも非難と失望の声が相次いでいます。
キズナアイ “政治的発言” からまもなく1年…教訓生かされず
2019年 (令和元年) 10月4日、中国語版キズナアイが日本固有の領土である尖閣諸島を「釣魚島 (中国政府が用いる尖閣諸島の中国名)」、台湾 (中華民国) を「台湾省 (中国の一行政区)」とする地図を背景に用いた上で更に台湾を「中国台湾」、台湾語を「中国語の台湾の方言」などと呼称している動画を公開した事が判明しました。
更に同年10月21日には中国・浙江省烏鎮で開催の中国政府主催の見本市「ワールドインターネットカンファレンス (世界インターネット大会/WIC)」のサブフォーラム「ネットワーク文化と若者」にて、キズナアイが中国の大手企業「ネットイース (網易)」傘下のバーチャルタレント (网易旗下的“绊爱”) として紹介されていたことが明らかとなりました。
この度のカバー社の問題は、こうした台湾と中国に関する “政治的発言” を巡る問題からまもなく1年を迎えるというタイミングでのものとなります。
これは過去の「教訓」を生かさず、国際的事業展開を進めながらも危機対応を盤石としてこなかったカバー社の杜撰な姿勢を厳しく問うものとなります。
看過は決して許されず
現在カバー社が運営するホロライブプロダクションは当時のキズナアイより遥かに規模が大きく、中国、インドネシア、そして英語圏においてもVTuber事業を展開しています。よって今回の問題から目を背ければ、その影響はホロライブプロダクションだけにとどまらず、他社も含めたVTuber業界全体にも不可逆的な致命傷をもたらすものになりかねないでしょう。
カバー社はこの度の一連の問題について、これまでとは次元の異なる深刻な事態を巻き起こす恐れがある事を重く受け止め、ネットにおけるプレスリリースの画像1枚のみではなく、谷郷元昭社長が自らの言葉で真摯に問題と向き合い、責任を果たすべきでしょう。所属タレントに責任を押し付ける「活動休止処分」のみで幕引きを図るのであれば、その先にはキズナアイが辿った道の二の舞か、それ以上の結果が待ち受けています。
そして視聴者の皆さんにおいても、ホロライブプロダクション所属タレントの活動・成長を今後も見守っていきたいという思いが確かであると信じるなら、この度のカバー社には厳しい姿勢を示していくことが求められるところでしょう。
正しいことを正しいと言えること
組織の常識と世間の常識が一致していること
ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価されること
TBS日曜劇場「半沢直樹」より
にじさんじ 地道な取り組みが導いた “熱い夏”
Regarding issues caused by on-stream statements by our talents
カバー株式会社
中国向けの商売をする上で避けては通れない「踏み絵」問題だけど、キズナアイといいVTuber企業は何故ここまで踏み込んで中国共産党に擦り寄るんだろうか?
よほど中国共産党がVTuber等のネット配信者に神経を尖らせていると見える
Youtubeは通常通り公開すべき情報を公開していただけで、Vtuberも通常通り公開しても問題なさそうな情報を公開していただけで問題は何もなかったように思える。 今回の問題はその放送内容よりも、国際的なビジネスに自ら踏み込んでおきながら、その商売相手に必要な配慮をとことん欠いていたカバー株式会社そのものにある。 国が違えば文化が違う、宗教が違う、政治が違う、つまりタブーが違う。 リサーチ不足が自社のタレントとの打ち合わせ不足に繋がりこのような騒ぎに至ったと思うと本当に残念でならない。 放送内容、タレント、中国の視聴者。誰にも非がないことであり、謝罪内容すら的外れ。 特に中国に売り込むように取り組んでいないことが明白な中継放送を何の事前確認も無しに行うというのは、遅かれ早かれこういう結末になっていただろう。 こういったエンターテイメント性の強いコンテンツに重要なのは”現実離れ”していることであり、世知辛いこととは無縁であるように見せることが最優先されるべきだ。消費者は確実にアイドルやらアニメやらのビジネス的、現実的な事情の露呈など望んではいない。ただ夢中になりたいだけなのだから。
とにかく、適当過ぎたのではないだろうか、可愛い絵と面白い中身があれば多少のことはどうにでもなると天狗になってはいないだろうか? ビジネスの幅を広げるなら最低限その売り込み先に対する”ビジネスマナー”をリサーチすべきではなかっただろうか?それは決して、取って付けたような”謝罪”でもなかったのではないだろうか? 私は非常にHololiveというコンテンツを楽しんでいるし、応援している。 これを機に最低限、会社としてしっかりとした振舞いができるようになって欲しいと心から望む。 本当に頼む。 腐った現実にホロライブという夢を侵食されたくない。本当に頼むよカバー。