米国任天堂 レジー元社長「Wiiバイタリティセンサー」について語る

米国任天堂 レジー元社長「Wiiバイタリティセンサー」について語る

この度 米国任天堂 (Nintendo of America/NOA) 元社長のレジー (レジナルド・フィサメイ/Reginald Fils-Aime) 氏がCNETのインタビュー記事にて、2009年 (平成19年) に発表後開発中止となった「Wiiバイタリティセンサー (Wii Vitality Sensor)」についてのコメントを寄せていたことが分かりました。

Wiiバイタリティーセンサー
画像引用元:GameSpot
© Nintendo

「Wiiバイタリティーセンサー」は2009年の任天堂E3メディアブリーフィングで発表されたWii用周辺機器で、指から自律神経の働きを測定する機器をWiiリモコンに接続しゲーム体験につなげるものとなっておりましたが、2013年 (平成25年) に開発が棚上げ状態であることが判明。Wiiの展開終息に伴い事実上の開発中止になっております。

なお同様のコンセプトの機器は過去にも存在しており、心拍数をゲーム内容に反映する周辺機器「NINTENDO64 バイオセンサー」もサードメーカーのセタからリリースされておりました。

今回レジー氏はWiiバイタリティーセンサーについて次のように述べ、本機器のアイデアは完全には途絶えておらず、また現在も実験を続けている開発者がいてもおかしくないとのコメントを寄せております。

任天堂の歴史は多くの実験を行い、様々なコンセプトで遊ぶことにあります。バイタリティセンサーが検討されていた当時、任天堂はゲーム人口の拡大、より多くの人にゲームを体験してもらうことに非常に注力していました。睡眠に関する問題、不安に関する問題など、文化全般について非常によく考えていました。この分野でゲーミフィケーションを行い、プレーヤーに利益をもたらすだけでなく、ゲーム人口を拡大する可能性のあることを行う潜在的な機会を見出したのです。任天堂に関する重要な洞察は、アイデアが本当に死ぬことはない、ということです。アイデアは常に遊ばれているのです。

例えば、私たちはWiiを発売しました。Miiのコンセプトは、実は宮本氏が何年も前から遊んでいたものだという話をしました。このようなアイデアは技術やゲームが完成し、それが実現するまで蓄積される必要があるのです。これが真実かどうかは分かりませんし、こんなことを言うと憶測が飛び交うでしょうが、このアイデアとこの空間で実験を続けている開発者がいても不思議ではありません。そして消費者を本当に驚かせるような面白いアイデアを思いついたら、それを復活させるでしょう。彼らはそれを復活させるでしょう。それが常にイノベーションを重視し、プレイヤーのために自分たちのスケジュールで物事を進める企業の本質なのです。

任天堂は過去に失敗した構想や機器を後に最新技術や新たなアイデアで実用・製品化することが珍しくありません。

現在のNintendo Switch (ニンテンドースイッチ) においてもWiiの直感的操作性やWii Uのゲームパッドにとどまらず、NINTENDO64 (ニンテンドウ64) の「製品群構想」、64DDの「ランドネット (エンターネット/エンターテイメントネットワーク)」、ゲームキューブの「コネクティビティ」といった過去の試み (いずれも同社が苦戦していたという評が世間多数であった頃の挑戦) の積み重ねが反映されているものとなっております。

Wiiバイタリティセンサーも近い将来、新たな形を持って私たちの前に姿を現すのかもしれません。

Transition From Switch Will Be ‘Significant Challenge,’ Ex-Nintendo Head Says

CNET

(第1チーム/ゲーム・任天堂・リアル・インフラ・自動車・科学情報)

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