天の川銀河中心のブラックホール「いて座A*」の撮影に成功 国際共同研究チーム

天の川銀河中心のブラックホール「いて座A*」の撮影に成功 国際共同研究チーム

世界中の電波望遠鏡をつなぎ合わせ、地球サイズの巨大望遠鏡を仮想的に作り出す国際共同研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ (EHT)」は4月10日、銀河系 (天の川銀河) 中心に位置する巨大ブラックホール「いて座A* (エースター)」を撮影することに成功したと発表しました。

画像引用元:EHT Collaboration

これまで銀河系の中心部 (地球から約2万7000光年) には巨大ブラックホールが存在すると考えられてきましたが、この度の観測によりその存在が視覚的に証明されたことになります。

EHTのプロジェクトサイエンティストであるジェフェリー・バウワー氏 (台湾中央研究院天文及天文物理研究所) は「リングの大きさがアインシュタインの一般相対性理論の予言と非常によく一致していることに衝撃をうけています」「この前人未到の観測によって私たちの天の川銀河の中心での現象に対する理解は大きく進展し、このような巨大ブラックホールが周囲とどのように相互作用するかについての新しい知見が得られました」、いて座A*のデータ較正と画像化チームの双方を主導した秋山和徳氏 (マサチューセッツ工科大学ヘイスタック観測所リサーチサイエンティスト) は「日本が国際協力の下で運用に参加しているアルマ望遠鏡は、EHTの要となる観測局として天の川銀河の巨大ブラックホールの撮影において重要な役割を果たしました」「アルマ望遠鏡による感度と精度の高い観測により、ブラックホールの周りのガスの運動によっていて座A*の明るさが観測中どのように変化し、EHTの観測データにどのように影響しているかを詳細に調べられました。これにより、いて座A*の代表的な構造を画像化することが可能になったのです」と語っております。

天の川銀河中心のブラックホールの撮影に初めて成功

国立天文台

(第1チーム/ゲーム・任天堂・リアル・インフラ・自動車・科学情報)

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