“YAGOO”こと谷郷元昭氏 ホロライブプロダクションの南米・欧州進出の可能性を模索か

“YAGOO”こと谷郷元昭氏 ホロライブプロダクションの南米・欧州進出の可能性を模索か

カバー株式会社 代表取締役社長・CEOの谷郷元昭 (愛称 YAGOO) 氏は2022年 (令和4年) 8月26日、Anime News Networkのインタビューにて、同社の運営するVTuber事務所 ホロライブプロダクションの南米及び欧州進出の可能性を探っていることを明らかにしました。

画像引用元:Twitter

谷郷氏は「ホロライブインドネシア、ホロライブEnglish、ホロスターズEnglishときて、次に ホロライブプロダクションが拡大するのを見たい地域はどこですか?」という問いに対して、難しい質問であるとしつつ、次のように答えました。

今、日本のアニメは世界中で多く見られるので、本当に強い市場が沢山あります。国際シーンの知識は豊富ではありませんが、南米欧州など、アニメが多くローカライズされている地域があり、とても興味深いです。そういう市場を試してみたいし、うまくいけばその市場向けにローカライズして、そこからタレントを育てることもできるでしょう。

ホロライブプロダクションの”空白地”

2022年8月現在、ホロライブプロダクションは日本・英語圏・インドネシアに傘下グループを置き、英語圏からアジア圏までの視聴者・ファンの皆さんをカバーしている形となっております。

一方で同事務所にとって”空白地”とされるのは「スペイン語圏を中心とした中南米」「言語が多様かつ、VTuberでもTwitchが主流の欧州」「中東」「アフリカ」「2020年に現地グループを閉鎖し、全面撤退した中国」の5地域であると考えられます。

現在の ホロライブプロダクションは西側市場への展開を軸としており、過去の経験上からもこの点において他事務所・グループ (中国市場を重視する にじさんじなど) とは差別化されている形となっております。よって中国への再進出はほぼゼロに等しく、自ずと南米や欧州が新たなフロンティアとして浮上してくるのは想像に難くないことでしょう。

現時点で中南米に進出している日本発の事務所・グループは 株式会社WACTOR運営の「WACTORプロダクション」となっており、ヒヅキミウ、ミツルギリア、ヒナミソラ (いずれもチャンネル登録者数20万人前後) といったタレントが現地にて人気を博し存在感を発揮しております。しかし全体としては現地発の OWOZUを含め、有力な事務所・グループは少数であり、相対的に個人勢タレントが高い登録者数と視聴者・ファンを集める形となっております。

欧州は中南米以上に特殊性が強く、数百から数千ものVTuberタレントが存在するとされるものの、その殆どがTwitchでの活動をメインにしており、言語の多様性も相まって実態が掴みにくい地域となっております。

中東ではイスラエルにてIdol社によるタレントがデビューしたものの、偶像崇拝が禁じられる厳格なイスラム諸国が多いことから展開は事実上不可能でしょう。

今回の谷郷氏のコメントは、前述のような事情を踏まえた上で現実的に今後検討される地域が南米・欧州であるとの点から来ているものと推測されます。

その中でも南米に向けては、対応可能な人材を求める求人も行っており、既に動き出している様子がうかがえます。現時点ではあくまで既存グループのローカライズや翻訳が中心とみられるものの、将来的には欧州を含めた現地出身タレントによる”ホロライブEspanol (hololive-ES)””ホロライブEurope (hololive-EU)”のようなグループ設立への可能性も見えてくるのかもしれません。

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Anime News Network

(第2チーム/バーチャル・メタバース・VTuber・ボカロ・初音ミク情報)

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