カバー社 谷郷元昭社長 ホロライブプロダクションのこれまでとこれからを語る

カバー社 谷郷元昭社長 ホロライブプロダクションのこれまでとこれからを語る

バーチャルYouTuber (VTuber) 事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社谷郷元昭 (通称 YAGOO) 社長はダイヤモンドシグナルのインタビューにて、これまでの同社および同事務所の取り組みなどについて語りました。

ホロライブプロダクションのカバー社 総額約7億円の資金調達を実施

谷郷氏は2016年 (平成28年) に同社を設立。当初はアニメなどのキャラクターを3D化しオンラインなどで配信・展開するビジネスを考えていたものの、アニメ制作会社などの担当者に理解されず、さらにIP (知的財産) や監修の問題などから断念。行き着いたのが「タレントビジネスとゲームビジネスのハイブリッドなビジネスモデル」として現在のホロライブプロダクションの形であるとしております。

さらに同事務所所属タレントを「応援したくなる仕組み」として、Live2Dによるキャラクターでデビューしたタレントが3D化される流れを挙げております。

また同事務所が生放送配信を主体とする理由としては「VTuberはYouTuberに比べてニッチな市場。特定のファン層が喜ぶジャンルがほとんどなので、動画を投稿し続けるだけで人気を高めるのは難しい」現状があったとして、リアルタイムでの返信やリアクションを得られ動画編集の手間も省けることを挙げております。海外におけるストリーマー (配信者) へ投げ銭を行う文化にアニメーションを掛け合わせたものがVTuberであるとの考えも明かしております。

谷郷氏は昨年2020年 (令和2年) の同社および同事務所において浮上したゲーム著作物の無許諾配信に関する問題や一連の中国市場からの撤退に関する問題にも言及。ホロライブ中国 (hololive-CN) 解散への反省、社内におけるリスクコンプライアンス委員会の立ち上げ、所属タレントに対するリテラシー教育や情報共有を進めているとした上で「自分たちに落ち度があれば、きちんと改めていきたいと考えている」「VTuberの “中の人” は、みんな人間。過剰に攻撃されることがないよう、会社としてしっかり守っていかなければいけない」としております。

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の世界的拡大の影響によりオンラインにおけるエンターテイメントとして生放送配信を行うVTuberの支持が集まっておりますが、谷郷氏によれば同社ではオンラインライブの開催に加え、独自にバーチャルライブ配信サービスの開発も進めているとのこと。同事務所の勢いを象徴する海外展開についても「リアルなYouTuberは国内のみでも収益を出せるが、VTuberは海外でも認知されないとチャンネル登録数は数百万以上にならない」「VTuber市場は今、日本が先行している状態。カバーは『日本だからこそ見出だせた文化』を武器に、世界で戦える会社にしたい」として引き続き進めていくとしております。

“投げ銭”で1億5000万円超の人気者も登場、日本発で世界を見据えるVTuberプロダクションの野望

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