一部海外VTuber視聴者・ファンに“企業及び事務所・グループを一方的に批判”する風潮か

一部海外VTuber視聴者・ファンに“企業及び事務所・グループを一方的に批判”する風潮か

この度、海外の一部VTuber視聴者・ファンの皆様のコミュニティーにおいて、タレントに不利な裁定を行った企業や事務所・グループを一方的に批判するような風潮が広まっております。

ヒナミソラ - Misora Hina【WACTOR】
ヒナミソラ – Misora Hina【WACTOR】
画像引用元:YouTube
© 2019 WACTOR Corp.

中南米のVTuber事務所 OWOZUは4月18日 (日本時間)、所属タレント Karmaさんを同事務所の規約違反により配信活動停止処分にしたと発表。更に Phase Connect Ltd.は4月24日 (日本時間)、同社の運営する カナダのVTuber事務所 Phase-Connectの所属タレント ふうら百合 (Fuura Yuri/旧名 アマリス百合) さんとの契約を解除すると発表しました。

そして、これら所属タレントへの処分に対して、企業や事務所・グループが過失を起こしたと発表したタレント側に立って事務所・グループを批判する意見が少なからず見られるようになってきている模様がうかがえます。

2023年現在の日本のVTuber業界では、過去の“牡丹きぃ事件”などに代表される「タレントが視聴者・ファンからの支持を逆手に取り、悪意ある言動を行っていた (企業や事務所・グループ側の発表が正しかったとされる)」事例などを教訓に、タレント及び企業・事務所・グループのいずれかの主張のみを鵜呑みにせず、どちらが善か悪か等と速やかに断定・批評せず、公平かつ冷静に事態を把握すべきとするコンセンサスが概ね根付いているものと考えられております。

2019年 (平成31年)1月、牡丹きぃさんは Twitterアカウントで所属運営会社への不満を告白。更に 投げ銭の収益全てを奪われている、やらせ企画を行わされている、反社会的組織である等と明かし、当初は同情的な声が寄せられていたものの、後に運営側の声明によりこれらが虚偽であることが発覚し炎上へと発展。同年4月に引退を発表。

“牡丹きぃ事件”とは

一方で海外、特に企業運営の事務所・グループによる不祥事 (タレントを過酷な環境で扱っていた事例など) が相次いだ歴史を持つ地域の視聴者・ファンの皆様は、日本とは異なり企業や事務所・グループに対して厳しく、逆にタレントには過度なほどに同情的な感想を寄せておられる様子がうかがえます。

特に中南米 (ラテンアメリカ) はそれが強く、個人での活動が評価されたり、企業所属タレントより個人タレントのチャンネル登録者数や動画再生数が上回っております。そこに近年、WACTORプロダクションによる一連の問題が浮上したことで「WACTORプロダクション以外の企業や事務所・グループも、タレントを搾取する悪しき存在だ」等とする、企業や事務所・グループを批判的感情で断じる風潮が強まっている形であり、現地に進出していない ホロライブプロダクションなどの事務所・グループについても同列に批判する皆様がおられます。

WACTORや ホロライブなどのVTuber事務所は最低だと思います。OWOZUが Noriにしたように。VTuberに別れを告げる機会も与えず卒業させるし、Hettoの声優もいきなり変えました。

そして最悪なのは、VTuber企業・事務所がクリエイターを酷使したり、クリエイターがあまり休まなかったりして、ただ金儲けの為にそのようなことをすることです。

しかもどの企業もそんな感じで、何処も救われないのに、ホロライブや WACTORを擁護する人がいる。VShojoですらそうなのだから。

過去に ホロライブプロダクションを運営する カバー社の谷郷元昭社長は、南米 (スペイン語圏) や欧州を視野に入れていると明言されておりましたが、4月25日現在、本格進出は控えられている状況が続いているように見えます。

その背景には、現地における視聴者・ファン感情という「リスク」を踏まえた慎重な判断もあると考えられます。現地の企業や事務所・グループへの風当たりが強まっていた地域に、WACTORプロダクションにおける一連の問題が輪をかけたことで、同地域に進出していない事務所・グループに対しても批判が向けられる厳しい環境にある以上、暫く静観する構えにならざるを得ないのかもしれません。

海外におけるVTuber業界は、2020年 (令和2年) が本格的に立ち上がった時期に当たります。ホロライブEnglish (hololive-EN) “Myth” 5名のデビューもこの年でした。

そして今や、そこでは Twitchのみで活動されるタレントが少なくないこと、上記のような“反企業、反事務所・グループ感情”が強い地域事情があることなど、日本とは異なる風景が広がっております。

私達はネットによって、これまで言葉の異なる地球の裏側のお話としてきたことも、今やそぐそばにあります。VTuber業界全体のために、こうした海外の最新事情に向き合っていくことが、今後ますます欠かせなくなってくることでしょう。

(P2y.jp 管理代表者「2号さん (仮)」/バーチャル・メタバース・VTuber情報)

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