Activ8 キズナアイを巡る問題への説明責任 3ヶ月経過も依然果たさず

バーチャルYouTuber (VTuber)「キズナアイ」を巡る一連の問題が浮上してから間もなく3ヶ月を迎えます。

Activ8の大坂武史氏は8月16日、キズナアイを巡る問題に関する声明を中国の動画プラットフォーム「bilibili (ビリビリ) 」にて発表しましたが、日本国内においては11月12日現在に至るまで一切の声明を発表しておりません。

Activ8 キズナアイを巡る問題に関する声明をbilibiliで発表 日本では一切の説明なし

8月17日掲載

更にキズナアイに”インストール”され、bilibili (ビリビリ) を中心に活動する中国語版キズナアイ (通称名・紗利雅 (サーリア) ) が8月16日、7月18日に京都市にて発生したアニメーション会社「京都アニメーション」第1スタジオへの放火殺人事件に絡めて視聴者を批判する発言をbilibiliアカウント上にて行っていたとする問題についても、11月12日現在に至るまで説明は行われておりません。

中国語版キズナアイ 京アニ放火殺人事件に絡め視聴者を批判か

8月17日掲載

そして中国語版キズナアイが日本固有の領土である尖閣諸島を「釣魚島 (中国政府が用いる尖閣諸島の中国名)」、台湾 (中華民国) を「台湾省 (中国の一行政区)」とする地図を背景に用いた上で更に台湾を「中国台湾」、台湾語を「中国語の台湾の方言」などと呼称する”政治的発言”を行った問題についても、日本語、中国語、ボイスモデル如何に関わらず全てを同一の「キズナアイ」として位置付けているActiv8の責任が問われる事になるものの、11月12日現在に至るまで一切の説明は行われておりません。

キズナアイ”運営崩壊”か 尖閣諸島と台湾を中国領と政治的発言

10月5日掲載

また10月21日、中国・浙江省烏鎮で開催の中国政府主催の見本市「ワールドインターネットカンファレンス (世界インターネット大会/WIC)」のサブフォーラム「ネットワーク文化と若者」にて、キズナアイが中国の大手企業「ネットイース (網易)」傘下のバーチャルタレント (网易旗下的“绊爱”) として紹介されていたことが明らかとなりました。

このフォーラムは中国共産党の下部組織である若手エリート組織「中国共産主義青年団 (共青団)」によるものではないかとする見方もあり、今後は当局が中国企業を通じてActiv8からキズナアイの一部運営権を得る可能性も考えられるところから、日本国内で報道されても決して不思議ではないものですが、11月12日現在、Activ8からの説明も主要メディアによる報道も一切行われておりません。

キズナアイ 中国企業ネットイース傘下タレントとして中国政府主催イベントにて紹介される

キズナアイを巡る問題 主要メディアによる報道途絶え気味か

キズナアイの「政治的発言」「運営権譲渡」に対する主要メディア”沈黙”続く

10月23・28・29日掲載

直近の問題としては10月25日、日本自動車工業会 (自工会) の「東京モーターショー2019」、江崎グリコの「ポッキー&プリッツの日キャンペーン」などの企業案件実施中の最中に昨今の様々な問題を受けたと思われる意見募集ツイートを公開したことが注目されました。

大型企業案件開催中にいわゆる”炎上”を招きかねないハイリスクな対応…時期等を考慮としても良からぬタイミングに当たる可能性があり、企業としてのActiv8のマネジメント能力が問われることにもなりかねないものでしたが、これらに関しても11月12日現在、Activ8からの説明などは一切ございません。

キズナアイ運営のActiv8 再びマネジメント能力問われる可能性

10月25日掲載

Activ8は何時まで”逃げ続ける”のか

中国のキズナアイファンによる「抗議イラスト」

今回の一連の問題を巡っては11月12日現在も中国や台湾のキズナアイファンからの怒りを買う状況が続いており、国内外問わずそれらに対する適切な説明責任をActiv8は果たしておりません。

Activ8は何時までこの様な姿勢を取り続けるのでしょう。このまま放置状態を貫けば風化するという見通しが通用するという考えなのでしょうか。

逆に月日が経つほど状況は悪化するものであると、その人間性を心にとどめ、何をすべきかを直視し、実行に移すべきではないでしょうか。

哀しみのキズナアイ 無為無策が招いた末路

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